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トルコの原子力開発:アックユ計画は着工目前

2018年1月5日

12基の原子力発電計画にとり組んでいるトルコの原子力開発の最新情報をお届けします。

今回のレポート「トルコの原子力開発:アックユ計画は着工目前」(76頁)は当協会会員へのサービスの一環として、トルコの原子力開発の最新状況を総合的にまとめたものです。(会員限定公開)

トルコは、(建国100周年にあたる)2023年に世界10位の経済大国入りをめざしていますがエネルギー資源をもっておらず、発電用燃料が財政を大きく圧迫しているため、その削減を図っています。
このため2030年までに1,000万kW~1,500万kWの原子力発電開発をめざして、3つのサイトで各400万kW程度の原子力発電所を計画しています。
その第一原発計画サイトのアックユで初号機が昨年12月10日に部分着工し、本年初頭に正式着工の予定となっています。

今回の報告では、これらのプロジェクトの内容と(法規制体系整備、人材育成、原子力産業育成等の)課題を多角的に紹介しています。とくに先行プロジェクト「アックユ計画」でロシアがとったさまざまな対応策が、第二走者「シノップ計画」を実行する日本の原子力産業界に有益と思います。

詳細は当協会の会員専用ホームページに掲載されておりますが、本ページにアクセスしていただいた方のために、その概要を以下にお示しします。

A.第一(アックユ)計画
2010年からロシアとの協力で地中海沿岸のアックユで進展中。120万kW×4基。
2015年11月のトルコによる露戦闘爆撃機撃墜で、計画の作業は中断されたが、2016年8月のエルドアン大統領の訪露で和解に至り、再始動後の準備作業が順調に進展している。建設費200億ドルはロシアが負担し、完成後の15年間、電力を12.35セント/kWhで「トルコ電力取引・契約会社(TETAS)」に販売し回収する原子力発電では世界初の「建設・所有・運転(BOO)」という方式の契約。ロシアが設立したプロジェクト会社が建設、運転、保守、廃止措置、使用済燃料・放射性廃棄物管理、損害賠償の責任を負う新興国にとっては魅力的な契約方式。ロシアのこういったオファーは今後新興国に拡大すると思われる。

B.第二(シノップ)計画
黒海沿岸のシノップで日・仏・土の民間連合が112万kW×4基を建設する。(三菱重工業と仏AREVAの合弁の)ATMEA社が開発した「ATMEA1」炉。総額は200億ドル。2013年5月の安倍首相の訪土で実質的に受注。当初初号機2017年着工、2023年運転開始を想定したが、商業契約が2018年春の「シノップ計画実行可能性調査(F/S)」完了後になったため着工は遅れる。
日土政府間協定(IGA)で提案された売買電力価格、トルコ国内法による実炉データの要求等が交渉課題となっている。

C.第三(サイト未定)計画
第三原発計画では、2014年11月、中国とトルコ民間で4基の原発の建設覚書を締結した。


○アックユ初号機着工の意義
冒頭のアックユ計画初号機の着工が始まれば、トルコの(法規制体系整備、人材育成、原子力産業育成等)課題対応策がいっせいに具体化し、後に続く日・仏・土のシノップ計画にプラス効果をもたらすことが期待される。

○H.ムラット・メルジャン駐日トルコ新大使が2017年11月17日に着任。元エネルギー・天然資源省(ETKB)副大臣で、日本での重要使命のひとつに「シノップ計画の推進」を掲げている。


トルコの原子力開発:アックユ計画は着工目前

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)

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