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【ニュース動画】遠藤智広野町町長に聞く-東北に春告げるまち 復興・再生への道のり-

2014年11月11日

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 原子力産業新聞では、先月、広野町の遠藤智町長に、今後の復興・再生の取り組みなどについてお話を伺いました。本ページでは遠藤町長のインタビュー動画とあわせて、お話しの概要をご紹介させていただきます。ご一読いただければ幸いです。
 インタビュー動画は本ページの写真(上)をクリックしてご覧ください。
 なお、原子力産業新聞の11月6日付け号にインタビュー記事を掲載しております。


▽ふるさと復興希望の年

広野町は、福島第一原子力発電所から23km、福島第二原子力発電所から8km離れており、双葉地方8か市町村の一町として、またいわき市の南の玄関に位置するまちとして、町の機能を戻し住民の帰町にむけて取り組んでいます。平成26年を「ふるさと復興希望の年」として住民の帰還・復興に全力で取り組んでいるところです。
 帰町の実態は約半数の2500名、手続きをとられた方は約3割の1700名、また福島第一の事故収束に携わる方が約3000名滞在しておられます。復興への道のりにむけ、新たな共生、新たな時代を培っていくなかで原子力、火力というエネルギー立地地域、町である広野町の新たな町づくりを考案、創造しつつ私たちの願う幸せな帰町、復興というものをなしとげたいと考えています。

▽企業等の誘致に努力

従来広野町には工業団地があり15社中、14社が稼働しています。労働人口は720名となっており、災害に見舞われたこの地域で撤退した企業は2社、参入した企業は1社でした。

整備イメージ 現在、駅の東側の開発地域に企業を誘致しています。総計14ヘクタールで、第1期の7ヘクタール分を募集中です。参入される企業には、国等の支援制度が適用されます。たとえば津波被害地域の産業立地に対する国の支援制度によって税制優遇や補助が適用されます。広野町としても固定資産税を3年間補助する制度が適用になります。このほかにも事業所の設置で新たに雇用を生み出すと電力料金が割引になる国の補助金の対象にもなります。
 そうしたさまざまな優遇制度を活用いただき、浜通りにおける双葉地方の広野町で企業の誘致を願っているところです。ちょうど駅東側開発事業については本日(10月17日)、第1回目の企業を決定し発表しました。2社が整備対象区域に入居していただく予定です。産業団地として、いまひとつひとつ誘致を進めています。この後の第2期(の募集)では、私たちが求める町の機能を整えていくという視点で、企業誘致を進めていく予定です。
 この駅の東側を中心に町づくりを整備するなかで、鉄道は今年6月に竜田駅まで延伸し、また国道6号線は9月15日に全線開放され、高速道路(常磐道)も来年の連休明けには開通する予定です。こうしたインフラの整備の進展とともに、新たな町づくりにむけて産業団地から製造業を含む様々な企業に来ていただき、この広野駅を拠点とするビジネスと生活に必要なインフラ整備も進めていきたいと考えています。

▽人づくりで未来ひらく

広野町に生まれた者として、町の良さを後世にむけて送り届けることが大きな役割と認識しています。復興の第一義は、町民のみなさんが元の暮らしを取り戻すということがすべてにおいて優先します。子どもたちの健やかな成長なしに私たちの願いはなしとげられません。
 広野の子どもたちは今保育所から中学校まで約600名の子どもたちがいますが、約200名が町内の学校に通っています。当初は3分の2の子供がいわき市からスクールバスで通っていましたが、現在は逆転し3分の2の子どもさんが町内に住んで学校に通っています。広野町における学習環境がひとつひとつ整いつつあります。
 平成26年度を迎える際にまとめた広野教育ビジョンは、基礎学力を確かなものとし、メンタルもきちんと整えていくことなどが含まれています。
 また非常に重要な課題として語学教育に力を入れることとしています。英国から語学指導助手を招き、教育にあたっていただいています。米国のサンディエゴに草の根交流事業で広野中学校3年生15名を派遣し、現地での交流を通じて生徒たちが多くを吸収してきたと聞いております。
 幼稚園から小学校、中学校もすべて英語のプログラムを準備し途切れることのない教育を行うこととしているほか、町営の学習塾を今春から行っています。被災地の子供たちを応援したいという約10名の大学生の方に東京からおいでいただき、基礎学力の面で指導をいただいています。また町の児童館も小学校6年生まで受け入れる態勢を取っています。
 さらに来春以降、中高一貫校として県立のふたば未来学園高等学校に新入生120名を迎えます。進学コースやトップアスリートコースなどを設けるなど、県とよく連携しながら、確かな学習環境の整備が進められることになります。町には寮も備えられ120名の半数が入ることになっています。広野町の子どもとして中学から高校まで守り育てていきたいという思いでおります。

▽広野町の役割と将来ビジョン

地理的な要因から沿岸部のいわき市と隣接しており、復興の拠点としての役割を果たしていきたいと考えています。
 広野町は当初から廃炉、汚染水の取組みにおける最前線としての役割を担ってきましたが、現在も事故収束作業に携わる3000名の方々が町内に滞在し、14000人が郡内で経済活動をされています。数十年にわたる廃炉作業等を踏まえ、また2020年運転開始予定の広野火力発電所(50万キロワット級石炭ガス化複合発電(IGCC)を1基建設予定)などもありますので、未来への確かな展望を描かねばならないと思っているところです。
 2点目としては、中高一貫校の設置に伴い、確かな環境整備により子供たちを育て守り抜いていくことです。
 3点目は、帰還を希望する住民への対応です。県のもとで復興公営住宅の建設に着手し、浪江、双葉、大熊、富岡の4町の住民の希望される方々が入居されます。
 このほか広域的な観点からすると中間貯蔵の問題などの課題があります。広い観点から復興をとらえていくことが大切で、広野町としてしっかりと受け止めていきたいと思います。
 たとえば、中間貯蔵のためのフレコンバックが広野町には10万4000袋あり、いわき市の北部で10万1000袋あります。これを中間貯蔵のために移動するには、トレーサビリティなど安全管理をきちんとすることが広く地域の住民の方々に安心していただくために重要です。現地、現場の視点から、言うべき意見を述べ、理解していただけるよう取り組むことが大切だと考えています。

▽国内外との連携を視野に

駅前の開発により、上野から水戸、いわき、そして福島第一へと人の移動があり、そこで経済が動いていきます。それに伴い、被災地からの情報発信という役割もあると思っています。
 仙台、東京を中心とした学生さんや大学の先生方を招き、町づくり構想を検討していただいており、すでに木造交流会館を作るなどの具体的な動きになっています。また、広野町ではふるさと童謡まつりを毎年10月に開催しています。童謡の里として、広野町で生まれた童謡を全国に発信して今年で20回目の開催となりますが、被災地の思いを歌に込めて発信していきたいと考えています。

シンポジウム また、今年6月に国際シンポジウムを開催しました。米国やスリランカ、インドネシアなど様々な国からの参加者と住民と十分に意見交換が行われ、メッセージを採択しました。本音で語り合うふるさとを思う心を皆さまとともに受け止めあって、そして新しい時代にその思いを継承していくというものです。今後その思いの実現にむけ誠心誠意、着実に、広野町の住民のみなさんをはじめ双葉地方8町村の方々とともに、力強く歩んでいきたいと考えています。 (了)

お問い合わせ先:企画部 TEL:03-6256-9316(直通)