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カナダ:低・中レベル廃棄物の深地層処分場計画が進展

2015年5月13日

 カナダ政府が任命した環境評価局(CEAA)の3名の合同評価パネルは5月6日、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社がオンタリオ州キンカーディンで建設を検討している低・中レベル放射性廃棄物(L&ILW)深地層処分場計画(DGR)の環境影響評価書の審査を終え、報告書をL.アルグカック環境大臣に提出した。DGRはL&ILWを長期的に管理する望ましい解決法であり、OPGが約束した環境への影響緩和策に加えて同パネルが勧告する緩和策を実行すれば同プロジェクトが深刻な悪影響を及ぼすとは考えにくいと結論付ける内容。これを受けて、環境相は今後120日以内にDGR実施の可否を判断すると見られている。

 

©CEAA、合同評価パネル報告書

   ©CEAA、合同評価パネル報告書

OPG社の提案では、同社が運転するブルース、ピッカリング、ダーリントンの3原子力発電所から発生する20万立方メートルのL&ILWを、ブルース発電所サイト内の地下約680mにある石灰岩層に処分。L&ILWが現在貯蔵されている地上施設(WWMF)に隣接する30ヘクタールの敷地に、地上施設として地下への入り口設備や換気棟、廃棄物受入棟などを配置するほか、40ヘクタールの地下施設に2つの縦坑、トンネル、貯蔵室などを建設する計画である。

 合同評価パネルは報告書の中で、「深地層処分は放射性廃棄物を住民や生物圏から隔離する好ましいオプションと国際的に認識されており、同パネルはこのコンセンサスに同意する」と明言。地上施設では地震や洪水、竜巻のような自然災害の影響を受けやすいのに比べ、深地層ではそうしたリスクが少ない点を強調した。また、廃棄物は早急に地上環境から隔離することが望ましいと勧告。中レベル廃棄物に含まれる長寿命核種を無害な状態に変える技術は今のところ限られており、そうした技術の開発を待つリスクは同技術で得られる恩恵を上回るとの見解を明らかにした。同パネルはさらに、OPG社が提示したDGRの安全性保証文書(セーフティ・ケース)には説得力があると指摘。具体的な理由として、建設予定地の石灰岩層が非常に厚く、堅固で安定した状態にあることや、廃棄物の8割が低レベルであるため、処分場の操業開始から閉鎖までの間に半分以上の放射能が崩壊すること、個々の廃棄物貯蔵室が縦坑から離れている上、埋め戻しも実施予定であるなど、頑丈な設計になっていることを挙げている。