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ロシア:多目的高速研究炉MBIRに建設許可

2015年5月18日

準備作業が進むMBIR建設サイト©RIAR

準備作業が進むMBIR建設サイト©RIAR

 ロシアの国立原子炉科学研究所(RIAR)は5月8日、ウリヤノフスク州ディミトロフグラードの同研究所における多目的高速中性子研究炉(MBIR)建設計画に連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)が建設許可を発給したと発表した。10年間有効な許可だが、RIARではこの夏にもMBIR原子炉建屋のコンクリート打設を実施し、2020年の運転開始を目指す考えだ。

 ロシアでは国内のエネルギー需要を満たすとともに、天然ウランと使用済み燃料の利用効率を向上させるクローズド核燃料サイクルが可能な高速中性子炉の技術開発を進めており、2010年の連邦政府戦略では今後10年間の優先開発技術という位置付けになっている。

 熱出力15万kWのMBIRでは幅広い原子炉研究や照射後研究が行われる計画で、1969年から稼働している高速実験炉「BOR-60」の後継炉となる予定。燃料にはウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料か窒化物燃料の使用が見込まれている。昨年7月にサイト許可が下りたのに続き、10月にROSTEKHNADZORが建設許可申請書の記述内容の確認を終えている。11月になるとRIARは公開入札でウラルエネルゴストロイ社を総合建設請負業者に選定。同社は、昨年6月に初臨界を達成したナトリウム冷却・高速実証炉「BN-800」であるベロヤルスク原子力発電所4号機の建設工事も請け負っていた。

出典:原産協会「世界の原子力発電開発の動向2015」

出典:原産協会「世界の原子力発電開発の動向2015」

 ベロヤルスクではこのほか、出力60万kWの原型炉「BN-600」が3号機として稼働しているのに加え、120万kWの商業炉となる「BN-1200」の建設も5号機として計画中。また、鉛ビスマス冷却・高速炉の実験炉となる「SVBR-100」(出力10万kW)の建設がMBIRと同様、RIARの隣接区域で2017年以降の発電開始を目指して計画されているほか、鉛冷却・高速炉のパイロット実証炉「BREST-300」の建設がトムスク州セベルスクで計画されている。