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今夏電力需給、原子力なしで予備率3%確保の見通し

2015年4月16日

 資源エネルギー庁が取りまとめた今夏の電力需給見通しによると、沖縄電力を除くいずれの電力管内も原子力発電所を再稼働しないものとして、電力安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通しとなった。4月16日の総合資源エネルギー調査会の電力需給検証委員会で報告されたもので、昨夏に続き、予備率3%確保には電力間の融通調整を必要としており、委員会で示された電力各社の需給バランス表によると、例えば8月では、単独で予備率3%を確保できない関西電力と九州電力はそれぞれ48万kW、61万kWを他社からの受電としている。原子力発電所が全基停止していた昨夏では、いずれの電力管内の最大需要日においても予備率3%が確保された。
 電力各社から報告徴収を行い取りまとめた今夏の需給検証で、需要については、近年の猛暑を想定した上、直近の経済見通しや節電の定着を考慮しており、一方、供給については、可能なものは火力発電の定期検査の繰り延べなどにより需給ひっ迫を回避することとしている。火力発電プラントでは運転年数が相当程度経過したものもあり、2015年4月1日時点で最も長く運転しているのは四国電力阿南2号機(22万kW、石油)の46年で、昨夏稼働した運転年数42年の中部電力武豊2号機(38万kW、石油)は設備劣化が著しく4月1日より停止しており、同機は年度内に廃止される予定だ。
 関西電力では、火力の安全安定供給に向けた取組を強化しており、2013年8月から進めてきた姫路第二発電所の高効率コンバインドサイクル方式への更新を全6基で完了、総出力を291.9万kWに増強し、今夏はフル稼働させる見込みだ。
 九州電力では、今夏需給見通しで、他のプラントに先立ち新規制基準に係る原子炉設置変更許可が与えられた川内原子力発電所1、2号機が仮に再稼働した場合、他電力からの応援融通なしで、7、8月の予備率は4%(1基稼働)~11%(2基稼働)程度確保できるとしている。
 また、2016年3月に発生した低圧タービン落下事故により、昨夏以降の電力需給への影響が懸念された電源開発の松浦火力2号機(100万kW、石炭)は、6月にも本格復旧する見通しとなっている。