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原子力に関わる世界の女性たちが会しシンポジウム

2015年5月19日

原子力発電に関わる世界の女性たちが登壇し、環境保全に果たす役割、安全確保のあり方などについて話し合うシンポジウム(日本エネルギー経済研究所他主催)が5月19日、東京・港区の政策研究大学院大学で行われた。IMG_5436
シンポジウムでは、基調講演で、世界原子力協会事務局長で原子力・放射線利用の仕事に携わる女性たちの国際的ネットワーク「Women in Nuclear」を立ち上げたアニエッタ・リーシング氏が登壇し、IAEAや国際エネルギー機関による最近のレポートなどを示し、「世界で2050年には原子力が最大のエネルギー源となる」将来展望を披露した。また、福島第一原子力発電所事故後の日本の原子力発電については、かつてのTMI事故やチェルノブイリ事故を振り返りながら、「世論の支持は回復できるはず」と期待をかけた。理解活動のあり方に関しては、「多様性」をポイントに掲げ、単に安全をいうだけでなく、対話を通じ、原子力のあらゆるメリットについて女性の観点からも語っていく必要を訴えかけた。
「原子力はなぜ必要か」と題するディスカッションでは、フランス・アレバ社経営会議役員のアンヌ・マリ・ショオ氏が、「まず市民の目線で『原子力がどうすれば信用されるか』を考えるべき」としたほか、資源リサイクルの考えも重要などと指摘した。中国からは、EDF中国支社CEOのシュータン・ソン氏が、大幅な経済成長と、一方で石炭の多用による環境汚染への懸念から、「中国は開発途上国。エネルギーの独立性を担保していくため原子力は必要」として、今後の大規模な原子力建設プログラムの可能性を述べた。また、IAEAプログラム・コーディネーション局ディレクターのアナ・ラフォ・カイアド氏は、リーシング氏が基調講演で各国の原子力開発状況を色分けした世界地図について触れながら、主にアフリカや東南アジアで新規導入が進みつつある現状を強く受け止め、今後のIAEAによる技術支援の可能性を示唆した。
「原子力なしに気候変動への対応は可能か」と題するディスカッションでは、国際環境経済研究所理事で政府の地球温暖化関連の審議会委員も務める竹内純子氏がモデレーターに立ち、米国、OECD/NEAの専門家らと原子力がCO2削減に果たす役割について議論した。