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基本的考え方ヒア 越智氏「避難による健康被害大きい」

2015年5月19日

真:原子力委員会ヒア4517 原子力委員会は5月19日、原子力利用の「基本的考え方」について、越智小枝・相馬中央病院内科診療科長から、健康という観点から見た福島第一原子力発電所事故についてのヒアリングを行った。
 越智氏は、福島第一原子力発電所事故では、放射能による健康被害よりも避難などで引き起こされる健康被害のほうがはるかに大きいとして、被災地での事象を紹介した。
 まず、避難区域が設定されたことで周辺の物流や医療を含むインフラが途絶し、入院患者も食料や医療用酸素などが届かないために移動せざるを得なくなったケースについて触れた。特に高齢者にとっては、長距離の移動や急激な環境変化などが、精神的にも身体的にも多大なストレスとなってしまうケースがあったことを指摘。また、長期にわたる避難生活で、不健康な食生活や運動不足、精神状態の悪化などを招く結果となったことも言及した。さらに、市外から多くの除染作業員や建設作業員などが流入し、労災が起こっているばかりでなく、被災地の医療も逼迫する事態が起きていると語った。また、病院は医師ばかりでなく、看護職員や事務などの医療スタッフによって成り立っているが、震災後は患者数減少以上にスタッフの減少幅が大きく、医療の崩壊につながっていると述べた。
 こうしたことから、一律の距離による避難計画を見直し、生活習慣病などを招く仮設住宅のリスク評価を行うともに、建設・除染作業員や医療従事者など復興支援者の健康にも配慮して、原子力発電所事故後に防ぎ得る死をなくしていくべきとした。
 現場からの提言として、原子力発電も復興も目的は住民の健康(幸福)であることを忘れず、原子力発電所事故の健康影響が幅広いことを理解して、実効性のある現実的な防災・減災、復興計画を求めた。