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米エネルギー省長官が使用済み燃料と高レベル廃棄物の処分で方針表明

2015年4月1日

米エネルギー省(DOE)のE.モニッツ長官は3月24日、B.オバマ大統領の承認を受けて、(1)軍事活動による高レベル放射性廃棄物(HLW)は商用廃棄物とは別に処分する、(2)廃棄物の貯蔵・処分施設建設サイトは地元の合意ベースで選定する、(3)閉鎖された原子炉の使用済み燃料を集中的に受け入れる中間貯蔵施設を1つ以上建設する--などの方針を発表した。2013年にオバマ政権が打ち出した「使用済み燃料とHLWの管理処分戦略」、および2012年に政府の有識者特別(ブルーリボン)委員会(BRC)がユッカマウンテン処分場建設計画に代わる廃棄物処分対策として提示した勧告に従う内容。今年10月から始まる2016会計年度の予算要求でも、これら2種類の廃棄物の輸送・貯蔵・処分に関する長期的な研究開発等に予算を計上済みであるなど、こうした戦略の実行に向けて同省がすでに動き出している点を強調した。

 これらの方針は同日、同長官が超党派政策センター(BPC)で行った講演により明らかになった。それによると、米国では現在、核兵器生産関連のHLWは発生しておらず、在庫量は限定的。商用廃棄物と比べて放射能濃度や温度が低く、取り扱いも簡単であることから処分施設の設計がシンプルになり、輸送や許認可上の課題も少なくなる。商用と分けることによってサイト選定に柔軟性が生まれるだけでなく、コストを抑えることも可能だとした。

 一方、商用廃棄物の貯蔵・処分問題を解決する努力も、政府は怠っていないと同長官は強調。DOEは閉鎖済み商業炉の使用済み燃料を中間貯蔵するため、パイロット施設とフルスケール施設両方について1か所以上のサイトを特定すると明言しており、これらに際してはBRC勧告通り、全プロセスを段階的かつ地元の合意ベースで進める対策を講じるとした。また、国内原子力産業の長期的な活力を保証するためにも、政府は放射性廃棄物問題を解決しなければならず、それにはプロセス全体の意思決定に対する国民の信頼と自信が不可欠だと言い添えている。