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米規制委:西部の2原子力発電所に追加の地震リスク分析を指示

2015年5月15日

 米原子力規制委員会(NRC)は5月13日、コロンビア原子力発電所とディアブロ・キャニオン原子力発電所の事業者に対し、2017年6月末までに最新の地震リスクに関して一層詳細な分析を実施するよう指示した。

 NRCは今年3月、福島第一事故後の対応の一環として、ロッキー山脈以西に立地するこれら2発電所とパロベルデ原子力発電所の事業者から発電所毎の最新の地震リスク評価情報を受領した。それらは、(1)地震が起こり得る地点、(2)地震動の地層への伝わり方、(3)地震動が原子炉建屋に伝わる前にサイトの地層に及ぼす影響--などのデータを使って評価されたもの。NRCが地震リスク評価情報を審査した結果、3発電所とも初期設計の想定を超える危険性をカバーする安全裕度が備わっていたが、2発電所の追加分析により一層永続的なアクションが必要と判断されれば、適切な対応を事業者に求めるとしている。パロベルデ発電所についてはさらに審査を進め、詳細分析が必要という結論が出れば2020年12月末までに実施を求める方針だ。

 福島第一事故後の2012年3月、NRCは全米の原子力発電所に対して洪水と地震および緊急時の対策に関する情報提供を求めており、地震についてはサイト毎のリスクを最新の関連情報とガイダンスを使って再評価するよう要請。同年11月には耐震裕度を評価する際のガイダンスを発令した。2014年3月までにロッキー山脈以東に立地する中・東部(CEUS)の原子力発電所事業者から地震リスクの再評価報告を受け、同年5月に詳細分析を優先的に実施すべき発電所サイトの選別を実施する一方、ロッキー山脈以西の3サイト(WUS)については地質学的な複雑さのため、作業が一年遅れとなっていた。

 WUSの3事業者が3月に提出した最新の地震リスク評価情報について、NRCスタッフは「詳細分析をするにしても、手元の証拠を見た限りではこれらは安全な運転を継続できる」と明言。新たなリスクが初期設計を超えれば、追加分析によって地震による事故リスクの修正点を特定するほか、事業者はさらに踏み込んだ分析を行いつつ主要安全機器を強化すべきか見極める短期作業の実施を義務付けられるとしている。