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規制委員会が自然災害への対応でシンポ開催

2015年5月22日

 原子力規制委員会は5月21日、自然災害への対応に関するシンポジウムを都内で開催し、米国原子力規制委員会(NRC)の前委員長で地質学が専門のアリソン・マクファーレン氏(ジョージ・ワシントン大学教授、写真)の講演を受けて、新規制基準審査で耐震関係を担当する石渡明委員らを交え討論を行った。IMG_5446
 マクファーレン氏はまず、規制機関が信頼されるには、独立性、透明性とともに、オープンであるために「すべての利害関係者が関わる」必要を、規制委員会に対し訴えかけた。自然災害については、「複雑でストレートに理解できるものではなく、正確に予知することはできない」と、対応の困難さに加え、「人間というのは『静寂』を常とし、災害が起きてから後追いで事実としてとらえる」などと、対策が後手に回りがちなことを述べた。さらに、プレートテクトニクス理論を例に、地質学が比較的歴史の浅い学問であることを述べ、新たな知見を踏まえ、「10年に1回は絶対に見直す必要」を強調した。また、地層処分に関して、マクファーレン氏は、廃棄体を埋設する地下300mの安定性を、海面で波に揺れる船と深海で安定している潜水艦に例えながら、「日本でも処分場を見つけることは可能」などと述べた。
 今後の自然災害対策に関する規制の課題に関して、マクファーレン氏は「データの不確実性」を指摘したが、討論の中で、新潟県中越沖地震以降、原子力発電所の耐震評価・指針見直しに関わった入倉孝次郎氏(京都大学名誉教授)が、旧原子力安全委員会下で2006年に改訂された耐震設計審査指針に触れたところ、当時議論となった確率論的安全評価手法の活用について意見が取り交わされた。
 今回のシンポジウム開催の意義について、石渡委員は、原子力発電所の立地が海岸沿いに限られ地震・津波の影響を受ける日本と、内陸も含まれ他の自然現象のリスクが相対的に高い米国との相違を踏まえ、両国で意見交換を行うことなどをあげている。