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48億ユーロの年間損失 アレバ社:経営再建計画を発表

2015年3月12日

仏アレバ社は4日、2014年12月末までの年間決算を発表し、連結純損失が過去最高レベルと言われる48億3400万ユーロ(約6300億円)にのぼったことを明らかにした。フィンランドのオルキルオト3号機(OL3)建設計画の遅延による損失7億2000万ユーロを含め、3件の主要原子力プロジェクトで被った追加損失は10億9700万ユーロに到達。こうした状況からの脱却を図るため、P・クノル社長兼CEOは中国市場への重点的取り組みを含めた改革計画を公表している。
決算概要によると、年間売上は7・2%減少し83億3600万ユーロ、金利・税金・償却前利益(EBITDA)も13年から2億5700万ユーロ減の7億3500万ユーロ、税引き前フリー営業キャッシュ・フローは5億3700万ユーロ減のマイナス3億7200万ユーロだった。また、OL3と同じ同社製・欧州加圧水型炉(EPR)を採用したフラマンビル3号機建設計画、ジュール・ホロビッツ研究炉建設計画など3大プロジェクトを除いた原子力営業活動関連資産の減損と繰延税金資産はそれぞれ、14億6000万ユーロと9億3800万ユーロ、などとなっている。
 18年までに経営再建
これらに対する改革計画の柱としてアレバ社はまず、主要事業である原子力事業への再注力や仏電力(EDF)との連携強化、中国原子力市場でのプレゼンス拡大などを示した「戦略的ロードマップ」を策定。「業務計画」の中では、競争力を強化するため17年までに年間10億ユーロのコスト削減やエンジニアリング部門の組織再編を実施するほか、3大プロジェクトのマネージメントを強化するとした。
また、「社会的対話」の項目で、アレバ社の現状や戦略的方向性に関するステークホルダーとの対話を近日中に開始すると明記した。今年上半期の決算前に公表する今後3年間の「財務プラン」については、主要な注力分野として(1)資本支出(CAPEX)項目の厳選(2)競争力強化計画の実行(3)資本を有する者との連携と資産処分(4)営業資産のファイナンシングとキャッシュ管理の合理化を列挙。18年にもキャッシュ・フローを黒字化するとの「経営見通し」を示している。
クノルCEOはこれほどの規模の損失は、同社が(1)原子力事業の継続的な不振(2)競争力不足と大型プロジェクトが内在するリスク管理の難しさ――という二つの課題に直面していることの現れだと指摘。昨年11月から事業戦略の包括的なレビューを妥協することなく進めた結果、経営チームにとって難度は高いが経済的に現実的な今回の改革計画を公表するに至ったと説明した。
なお現地の報道によると、仏国のF・オランド大統領はアレバ社とEDF首脳に対し、仏国原子力チームの一員として緊密な協力関係を築くよう要請。数か月以内に現実的な連携強化案の提示を求めたと伝えられている。