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GE日立 新しい遠隔操作ツールで保守作業を簡素化

2015年4月9日

GEH遠隔アンカップリング操作

遠隔アンカップリングツールを操作する技術者 ©日立GEニュークリア・エナジー

GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)はこのほど、エクセロン・ジェネレーションと協力し、原子炉の底部で原子力技術者が行う作業をより迅速で安全に進められる新しい遠隔操作ツールを開発した。バッテリー駆動の無線機器を利用しており、保守作業の際に制御棒を原子炉の底部でブレードから取り外す(アンカップリング)作業を遠隔操作で行うことができる。このため、作業員の被ばく量を最小限に抑え、保守のため停止中の原子炉圧力容器で複数の作業を並行して進めることが可能となる。同ツール導入で、アンカップリング作業に伴う放射線被ばく量を60%まで低減できることが実証されている。
同ツールは、ノースカロライナ州ウィルミントンのGEH本社で3Dプリンターを使って作られたプロトタイプをベースとし、エクセロン・ジェネレーションが運転するイリノイ州モリスのドレスデン原子力発電所の駆動機構19台とペンシルバニア州デルタのピーチボトム原子力発電所の駆動機構25台のアンカップリングの保守作業に使用された。
運転員は制御棒ブレードを遠隔操作で位置を調整して発電量を管理する。同ブレードは、中性子吸収材を内包している長い十字型の金属管の部品で、炉心内で燃料集合体に隣接して配置されている。運転停止中に制御棒ブレードを取り外すには、原子炉圧力容器の下にある駆動機構からブレードをアンカップリングする必要がある。圧力容器の下からアンカップリングできなかったブレードは、圧力容器の上にある燃料交換フロアからアンカップリングしなければならず、保守作業時間を増加させることになる。
今回新たに開発されたツールにより、ドレスデン発電所とピーチボトム発電所での保守作業時には燃料交換フロアからのアンカップリングを行わずに済み、フロアジャッキの使用や鋼板の取り外しなどの工程を省くことができた。また、3Dプリンター技術の活用で同ツールの市場投入を数ヶ月早め、金属製モックアップの製作にかかる費用も削減できたとしている。