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東大、がん細胞にのみ結合する抗体を開発

2015年6月3日

 東京大学の研究グループは5月28日、放射性同位元素で標識した「がん細胞にのみ結合する抗体」を開発し、小細胞肺がんを移植したマウスに投与したところ、がん細胞を殺傷し腫りゅうを縮小させる効果がみられたことを発表した。小細胞肺がんの細胞で高く発現する膜タンパク質を認識する抗体を、治療用の放射性同位元素イットリウム90で標識することで作製し、同抗体を投与してがん細胞に集積させることにより、マウスの体内から放射線治療を行う「放射免疫療法」で、悪性度が高いとされる小細胞肺がんの根治や余命の改善につながることが期待される。
 研究成果によると、抗体を投与したマウスで20%程度までのがん縮小が認められ、重篤な副作用もなかった。今後は、治療効果と副作用に関する詳細な評価を行うほか、イットリウム90以外の治療用放射性同位元素の導入、SPECT/PETイメージング用診断薬の開発も検討していくこととしている。