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チェコ:原子力発電の国家アクション計画で原子炉の増設準備勧告

2015年6月4日

 チェコ政府は6月3日の閣議で、産業貿易省が財務省との協働でとりまとめた「原子力発電に関する国家アクション計画(NAP)」を承認した。将来的にドコバニとテメリンの両原子力発電所で少なくとも1基増設することを想定したもので、これを実現する可能性のある3つの投資・事業モデルのうちどれを選択すべきかの調査結果を年末までに政府に提出させる方針。同国では昨年4月、チェコ電力(CEZ)が進めていたテメリン発電所増設計画に対し、政府が発電電力の買い取り保証は与えないと表明したため入札手続きが中止されており、建設資金の確保が最大課題となっている。

 NAPは産業貿易省が5月19日に承認した「国家エネルギー戦略」のフォロー計画という位置付けで、化石燃料のシェアを下げた将来のエネルギーミックスにおいて、再生可能エネルギーとともに原子力が果たす重要な役割を強調。さらなる開発の可能性を模索すべきだとしている。J.ムラーデク産業貿易相は、国のエネルギー供給を保証するには既存の2発電所で1基ずつ、可能であれば2基ずつ増設する準備を進める必要があると指摘。特にドコバニ発電所では既存の原子炉4基中、1号機が2037年には閉鎖される見通しであることから優先的に増設するとした。ただし、今後の電力市場が極めて不透明という現状に鑑み、増設準備プロセスは以下の2段階に分けて進めるよう勧告している。
(1)まず、チェコが必要とするすべての発電設備を維持しつつ、直ちに増設の準備作業を開始する。
(2)次に、市場が安定する状況にあるか、商業ベースで原子炉増設が可能か、また政府の保証なしに増設可能かを見極める。できない場合、政府は投資家達にどのような形で保証を与えられるか、保証自体を与えることが可能かについて、増設計画への建設許可発給が必要となる2025年頃までに判断する--である。

 また、増設を可能とするための潜在的な投資・事業モデルの特定もNAPにおける優先タスクの1つで、産業貿易省は3つのオプションを提示した。それらは(1)既存の原子力発電事業者であるCEZの100%子会社による投資、(2)CEZや大型顧客、原子力サプライヤーなど民間のコンソーシアムによる投資、(3)国が新たに設置する企業による直接投資--となっている。