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基本的考え方ヒア メザーブ氏「合理的で達成可能な除染条件を」

2015年6月5日

真:メザーブ基本的考え方4549 原子力委員会は6月4日、原子力利用の「基本的考え方」について、R.メザーブ電力中央研究所原子力リスク研究センター顧問からヒアリングを行った。
 メザーブ顧問は、電力価格が製造業に及ぼす影響や日本が資源国ではないことなどを挙げ、経済・エネルギー安全保障・環境の観点から日本に原子力発電が必要であることは説得力を持つと明言。米国にとって日本が重要な同盟国であることからも、安倍政権が原子力の必要性を認めたことを嬉しく思うと語った。
 福島第一原子力発電所事故後に規制強化の努力が行われていることは意義深い進展だとする一方、費用と便益のバランスのとれた規制を整備していくことの重要性にも言及した。また、放射線影響のみを考慮した避難方針により、避難すること自体がより深刻な状況を発生させる例もあることに触れ、安全システムの目的そのものについて再検討が必要とした。さらに除染に関して、福島第一発電所事故の発生直後は被ばくをゼロにすべきという市民からのプレッシャーが強くなり、実現不可能なほどコストのかかる除染基準となってしまったことを踏まえ、事象が起こる前から合理的で達成可能な除染条件をきちんと決めておくことが重要だとした。
 原子力安全において最も大事なのは、常に警戒を怠らず安全性を高めようとしていく文化を確立していくことであると主張した。また一般の信頼を深めるためには、様々な立場からの意見を広く聞いた上で、意思決定プロセスが誰にでも見えるよう公開性と透明性の確保に努めるべきだと改めて強調した。
 岡芳明原子力委員長からの事故対応についての質問に対しては、福島第一発電所事故後に誰も住んでいない場所でも1ミリSv以下の基準達成のために除染作業員を不必要な被ばくの危険にさらす状況について憂慮を示し、数値の評価を進めて適切なガイダンスを設定していくことが望ましいとした。