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東京理科大、植物の放射線障害に対する応答反応を可視化

2015年6月9日

 東京理科大学は6月3日、植物に放射線が照射された際に、細胞核内で染色体の動きが変化する様子を捉えることに成功したと発表した。同学理工学部の松永幸大教授らによる研究成果で、5日に英国科学雑誌に掲載。
 動物と異なり植物は動くことができないことに着目し、本研究では、放射線に対して植物が迅速に応答し細胞核内のDNAを修復するメカニズムを解き明かすべく、シロイヌナズナをモデルとして、「クロマチン蛍光タグシステム」と呼ばれる染色体の一部を可視化する技術を用いて解析を行った。それによると、シロイヌナズナの根の細胞核で、対となっている相同染色体が、一定の距離を保って離れていたのが、ガンマ線を照射すると互いに接近する動きが見られ、さらに、染色体構造を制御するRAD54というタンパク質が欠損したシロイヌナズナ変異体では、ガンマ線を照射しても相同染色体の接近は見られなかったことから、この相同染色体が接近する動きは、放射線に応答しDNAを修復するためであることが示唆されたとしている。研究グループでは、本研究成果により、放射線に強い作物への品種改良につながることが期待できるとしている。