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ものづくり白書 IoT活用で新たなビジネスモデル対応へ

2015年6月11日

 経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省が共同で作成した「平成26年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)が6月9日、閣議決定された。
 白書第1部「ものづくり基盤技術の現状と課題」によると、日本の経済状況については、ものづくり産業を中心に企業業績の改善が進み、国内の設備投資も増加している。しかし、燃料輸入の増大などで貿易収支が過去最大となる赤字を計上しており、日本の経常収支(暦年ベース)は4年連続で黒字が縮小して過去最小の黒字となった。
 また、GDPの2割を占め、新たなイノベーションや技術を生み出して他産業への高い波及効果を持つ製造業は、引き続き重要だとしている。製造業は輸出で稼ぐ構造から海外で稼ぐ構造へと変化しており、国内拠点の役割を見極めて国内・海外でそれぞれ収益をあげる分野を明確化しつつ、国内の製造業の基盤として様々な担い手を育成していくことや、海外収益を国内へ利益還元していくことなどを課題として挙げている。
 さらに、IoT(Internet of Things)の進展をふまえ、製造業の新たなビジネスモデルに対応することの必要性も強調している。白書内のコラム「ビッグデータを活用したプラント監視システム」では、中国電力が島根原子力発電所2号機にNECの「故障予兆監視システム」を導入し、大量に設置したセンサー情報をもとに通常と異なる挙動を自動で発見し、故障する前に設備異常の把握を可能にする例などを紹介している。
 白書第2部「平成26年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策」の第6章では、東日本大震災に係るものづくり基盤技術振興対策について説明しており、原子力災害等復興基金を通じての福島県立医科大学を中心とした創薬拠点整備などの例が挙げられている。