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基本的考え方ヒア 澤氏「長期安定的なファイナンスの担保を」

2015年6月17日

 原子力委員会は6月16日、澤昭裕21世紀政策研究所研究主幹から原子力利用の「基本的考え方」についてヒアリングを行った。
 澤主幹は、日本において原子力発電はエネルギーセキュリティ上不可欠との立場から、中長期的に原子力を維持するための必要な条件として、原子力が日本にとって「特別に」必要であるという政治(国・自治体)の意思、長期・安定的な資金の確保を可能とする確実なファイナンスとリスク分担(原子力賠償制度を含む)、イノベーションを継続的かつ積極的に導入できるよう技術の新陳代謝を促進(人材育成を含む)する制度設計――を挙げた。
 今日の日本では原子力のおかれている状況が危機に瀕していることに触れ、技術や人材の維持にも必要となるリプレースや新設を実現するためリスクを官民分担して民間資金を呼び込むことや、廃炉・中間貯蔵・再処理・最終処分などに統合的に取り組みバックエンドにおける整合的解決を図ること、規制哲学や方法論について共通理解を図り、炉規制法等改正による規制活動を合理化することなどが、総括的な解決につながるとした。
 澤氏基本的考え方DSCF4554阿部信泰原子力委員からのコストに対する質問については、発電コスト検証ワーキンググループで算定された費用があくまでも「発電コスト」であり、原子力発電を選択するには長期にわたり安定的に初期投資を回収できるかどうかという「事業リスクプレミアム」が絡み、その点で火力発電に負ける可能性が高いことに言及。英国や米国では反原子力の動きよりも資金的な問題が原因で廃炉にする例が多いとして、電力システム改革後でも原子力発電に総括原価方式や損害賠償有限責任に相当する補償を担保する制度設計を求めた。また電力料金を下げるには、減価償却済みの現存の原子力発電所を再稼働させることが近道だと繰り返した。