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基本的考え方ヒア 長瀧氏「放射線影響に関し一つの合意した科学者の声で助言を」

2015年6月30日

原子力委員会長瀧氏DSCF4578 原子力委員会は6月30日、長瀧重信長崎大学名誉教授/放射線影響協会理事長から原子力利用の「基本的考え方」についてヒアリングを行った。
 長瀧教授は、原子力を利用すれば原子力災害は起こり得るという前提のもと、福島第一原子力発電所事故を教訓として「原子力災害の被害を最小にとどめる対策」を準備すべきと述べた。緊急時の対応は「すぐに」行うことが大事であり、放射線影響に関する測定値を即時公開し、測定結果をふまえた避難の規模や方向の決定や安定ヨウ素剤服用の指示も迅速に対応できるよう準備しておくとともに、避難の際の移動手段や受け入れ態勢など平時から確保する必要があるとした。除染についても予め考えておき、目的を明確にした上で対象地域による除染の程度や方法などを議論すべきだとした。住民健康調査に関しては、健康管理を考えた効果的な線量測定、特に甲状腺の放射性ヨウ素測定は必須だとしたが、同時に検査を受けることの心理的な影響などにも配慮し、被災者の不利益にならないような実施を求めた。また、様々な科学者や専門家の意見が対立したまま直接社会に発表され報道されてきたことがこの4年間の混乱の大きな要因であるとし、日本の科学者コミュニティは、総力を結集して放射線の影響に関する一つの合意した科学者の声として社会に対しての助言を行う責任があると強調した。
 岡芳明委員長からの被ばく線量の国際標準に関する問いかけには、除染については日本が一番進んでいる国だとして、今後も継続的に研究を続けて国際放射線防護委員会などで報告するなど、日本が世界へ原子力災害対策を発信していくことに期待を述べた。