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EU: 欧州で稼働するロシア型PWRへの燃料供給保証プロジェクトでWH社らに資金

2015年7月3日

 東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社は6月29日、欧州連合(EU)域内で稼働するロシア型PWR(VVER)への燃料供給を保証するためのプロジェクト資金として、同社とそのパートナー機関8社がEUから200万ユーロ(約2億7,000万円)を受領したと発表した。ブルガリア、チェコ、スロバキア、フィンランド、ハンガリーの5か国では18基のVVERが稼働中だが、近年、これらへの燃料供給は100%ロシアの燃料製造企業に依存。これらの原子炉が当事国における電力供給量の最大52%までを発電しているという現状から、EUは同資金により国際的な安全基準を全面的に遵守しつつ、核燃料の供給源を短中期的に多様化することを目指す。

 今回の資金は、EUにおける研究技術革新プログラム「ホライズン2020」の一部である「欧州原子力共同体(ユーラトム)研究訓練プログラム」から支出された。プロジェクト名は「欧州の安全な核燃料供給(ESSANUF)」とした上で、EU域内のVVERに西側諸国製核燃料を代替供給するための許認可に重点的に取り組む方針。この許認可に際し、事故時の安全性保証も含めて全面的な安全評価が要求されるため、産業界と規制当局の専門家を交えてEUレベルの研究開発を行うことになる。こうした観点から、コーディネーターであるWH社に加えて、以下の専門機関がパートナーとして参加。すなわち、スロバキアの原子力研究所(VUJE)と情報処理専門企業のNucleoCon社、チェコの原子力研究機関(UJV Rez)、フィンランドのラッペーンランタ工科大学(LUT)、英国国立原子力研究所(NNL)、ウクライナの科学センター・ハリコフ物理工学研究所(NSC KIPT)、ECの共同研究センター超ウラン元素研究所(JRC-ITU)、スペインのウラン公社(ENUSA)である。

 WH社がコーディネーターとなった背景には、EU域内で稼働する原子炉131基のうち6割以上が同社の技術に基づくという事実がある。同社はまた、2001年から2007年までの間、ENUSAとの協力で英国プレストンの燃料加工工場で製造した40万kW級VVER用燃料をフィンランドのロビーサ原子力発電所に供給。同社によると、それらは最も厳しい安全要求項目のすべてを満たすなど完璧に機能したという。しかし、2008年以降、同発電所への燃料はすべてロシアからの供給となっている。