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災害・被ばく医療科学共同専攻大学院設置 長崎大と福島県立医科大

2015年7月10日

 長崎大学と福島県立医科大学はこのほど、2016年4月より「災害・被ばく医療科学共同専攻(修士課程)」を開設すると発表した。被ばく医療と放射線健康リスク制御の分野で実績を持つ長崎大学と、東日本大震災で災害医療分野での実績と経験を持つ福島県立医科大学がそれぞれの独自の実績と強みを持ち寄り、相乗的に総力を結集して人材育成を図る。福島第一原子力発電所事故で、緊急時から復興期にわたる長期の医療、保健活動に適切に対応できる人材が不足していることが明らかになったことから、世界で今後想定される大規模災害や原子力発電所事故などの放射線災害を含む複合災害に対し、長期にわたって健康被害に適切に対応できる人材を育成する。同専攻は2大学が共同で教育課程を持つ大学院となり、講義は学生が本籍を置く大学でテレビ会議システムによる集合型授業を行い、実習参加では福島県川内村などの実習地へ赴くこととなる。
 菊池臣一福島県立医科大学理事長兼学長は、「放射線災害を含む災害時の医療対応や健康リスクコミュニケーションに対応できる人材を育成し世界に輩出していくことは、地震、津波、原子力発電所事故という複合災害を経験し、災害医療のノウハウを有する本学に課せられた使命」との意気込みを示し、福島県民の医療を守る砦となる決意を表明した。片峰茂長崎大学長は、震災直後から4年余りにわたって両大学が緊密な連携による協働を行い、多くの長崎大学教職員が福島に赴き、何人かは福島の住民となって現在も安全・安心のために貢献していることに触れ、「これまでの2大学の協働の積み重ねが具体的に結実したものであり、重要なマイルストーン」であると強調し、これを機に新たなステップを踏み出すとの意欲を見せた。