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エネ総工研、原子力安全規制の改革に向け提言

2015年7月22日

 エネルギー総合工学研究所は7月17日、原子力規制制度と組織のあり方について提言する報告書を取りまとめ発表した。「原子力安全規制の継続的改革を目指して」と題する今回の報告書は、原子力規制委員会が9月に、同委設置法附則による見直しの期限とされている発足3年目を迎えることを踏まえたもので、40年運転制度の見直し、審査の効率化、内閣府への移管など、13項目の提言を示している。
 原子力発電所の40年運転制度については、「科学的・技術的検討により導かれた年数ではなく政治的に決められたもの」とした上で、早急に見直しを行うべきとし、国際的な流れから、高経年化評価制度への一本化を提言している。運転期間の延長では、申請時期が1年3か月前から1年前となっている現状について「審査スケジュールは極めてタイト」と述べ、審査中に40年に達しても審査を継続し、延長が認可されるように改めることを求めている。
 また、2013年7月の新規制基準施行から、再稼働に至った原子炉が1基もないことを指摘した上で、今後、運転期間の延長認可、バックフィット対応のための申請が増えてくることに備え、原子力規制委員会に対し、審査の効率化に最大限の努力・工夫を図るよう求めており、今回の報告書では、これまでの主な審査論点についてレビューし、問題点の分析を試みた。例えば、新規制基準適合性審査で議論となった基準地震動(活断層の連動等)については、「事業者の調査結果や判断結果に対して、規制委員会からのコメントには判断方法、判断基準、根拠等が示されていない。その結果審査が延期するという状況が続いた」などと指摘している。
 一方、組織のあり方に関しては、現在、原子力規制委員会が置かれている環境省について、地球温暖化対策の推進官庁で、中間貯蔵を行う実施官庁であることから、規制機関の独立性担保のためには、「原子力規制委員会を環境省に置くことは不適切」と指摘し、原子力防災の実効性向上からも、原子力規制委員会を内閣府へ移管することを提言している。