フォントサイズ:

川内1号機が原子炉起動、新規制基準施行から初

2015年8月11日

 九州電力は8月11日10時30分、川内原子力発電所1号機(PWR、89万kW、=写真左)の原子炉を起動した。新規制基準への適合性が確認されたプラントの起動は初めてのこと。同機は、14日にも発電を再開し、徐々に出力を上昇させながら調整運転を行い、9月上旬には通常運転に復帰する見通し。国内の原子力発電は、福島第一原子力発電所事故後、唯一再稼働した関西電力大飯3、4号機が2013年9月に停止して以来、全基停止の状態が続いていた。川内外観写真3(最新)
 川内1号機の再開に向けては、同2号機、北海道電力泊1~3号機、関西電力大飯3、4号機、高浜3、4号機、四国電力伊方3号機とともに、新規制基準の施行された2013年7月8日、適合性を確認する審査を受けるため、原子力規制委員会に対し、原子炉設置変更許可などの申請が行われた。審査では、新規制基準で噴火時の影響評価が要求される発電所から半径160キロメートル圏内に活火山が多く存在することから、運用期間中のカルデラ噴火の可能性が議論となった。審査の進捗状況から、大きな審査項目をクリアできたことから、川内1、2号機は2014年3月以降、「優先的に審査を進める炉」として、集中的に審査が進められ、同7月16日に「審査書案」の取りまとめ(パブリックコメント開始)、同9月10日に原子炉設置変更許可取得に至った。
 一方、立地地域に関しては、同9月12日、経済産業大臣名で、鹿児島県知事および薩摩川内市長に対し再稼働を進める政府の方針について理解を求める文書が発出された。その後、10月には県による住民説明会が開催、11月7日に鹿児島県議会で川内1、2号機の早急な再稼働を求める陳情が採択されたのを受け、伊藤祐一郎知事は再稼働への同意を表明した。
 再起動に向けては、1号機が先行し、2015年3月18日に規制委員会より工事計画が認可、同30日より使用前検査が開始されている。使用前検査の進捗を受け、7月6~10日に燃料装荷が、27~30日には重大事故を想定した訓練が実施された。
 川内1号機の原子炉起動について、九州電力の瓜生道明社長は、「再稼働工程の重要なステップ」とした上で、今後も、事故は決して起こさないという固い決意のもと、自主的・継続的な安全性向上に取り組むとともに、積極的な情報公開と丁寧なコミュニケーションに努めていくとのコメントを発表した。
 また、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、続く出力上昇に当たり、「九州電力においては、これまで以上に緊張感を持って安全確保に取り組んで欲しい」とコメントしている。

川内1号再稼働経緯