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産学官連携功労者表彰「つなげるイノベーション大賞」が発表

2015年8月19日

 企業、大学、公的研究機関の協働による技術開発で、顕著な成果のあった取組事例を称える産学官連携功労者表彰「つなげるイノベーション大賞」の2015年度受賞者が8月18日に発表された。政府の総合科学技術・イノベーション会議を中心とする有識者らにより毎年選考されるもので、今回、産業技術総合研究所、日本自動車研究所、名古屋大学による「生活支援ロボットの安全検証技術の開発と標準化」が内閣総理大臣賞を受賞したのを始め、計14件の取組が賞を獲得した。
 本紙関連では、日立製作所、北海道大学、放射線医学総合研究所による「動く腫瘍をピンポイントで狙う『“4次元動体追跡型”陽子線治療装置』の開発と普及」が文部科学大臣賞を受賞した。世界初とされる「動く腫瘍をピンポイントで狙える陽子線治療装置」の開発に当たっては、日立と北大が内閣府の支援制度のもと、両者の持つ先端技術を医工連携で融合し完成させ、早期普及に向けては、放医研で重粒子線治療をリードした辻井博彦氏らが指導に当たり、先端放射線治療技術パッケージとして、システム全体の安全性担保や人材育成などが図られた。これにより、日立では、国内だけでなく、米国の著名病院などからも陽子線がん治療システムの受注獲得を実現しており、「医療装置市場において日本企業が苦戦している中、既に海外展開も見込めていることは大きな市場の開拓」として高く評価されている。
 また、「福島復興の一助になりたい」という思いから南相馬市にマッスルスーツの生産工場を整備している菊池製作所他による「腰補助ウェア『マッスルスーツ』の開発」が、日本経済団体連合会会長賞を受賞した。同社が東京理科大学と連携し、経済産業省の支援を受け、30キログラムの補助力を有しながら、本体重量5キログラムの軽量を実現した装着型筋力補助装置(ウェアラブルロボット)を開発し、大学発ベンチャー企業「イノフィス」を設立して製品化の加速を図った。既に量産ラインは稼働しており、被災地の雇用確保、将来的に「新たな産業の創出が震災復興・地域創生の足掛かりとして期待」などと評価されている。
 「つなげるイノベーション大賞」の授賞式は、8月27、28日に東京ビッグサイトで開催の産学官連携取組が一堂に会する見本市「イノベーションジャパン2015」の場で行われる。