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リトアニア:廃止措置から出る固体廃棄物の管理貯蔵施設で予備試運転開始

2015年8月27日

 リトアニアでイグナリナ原子力発電所の廃止措置業務を担当する「国家企業イグナリナ原子力発電所(SE-INPP)」は8月25日、廃止措置から出る短・長寿命固体廃棄物12万立方メートルの回収・輸送・分類・包装・特性評価・貯蔵を行う施設(SWMSF)の予備的な試運転が始まったと発表した。2005年に始まった同施設の建設プロジェクトも終盤に近づいており、今後は2016年3月まで非放射性の模擬固体廃棄物で機器・システムの実証試験を行い、設計要件を満たした安全運転が可能かを検証。2017年に放射性廃棄物を使ったホット試験を行ったあと、2018年にも運転を開始する。

 リトアニアではかつて、大容量のイグナリナ原子力発電所1、2号機(各150万kW)で総発電電力量の8割を賄っていたが、チェルノブイリ発電所と同じ黒鉛チャンネル型炉(LWGR)であったため、両炉とも2009年までにリトアニアの欧州連合(EU)への加盟と引き替えに閉鎖された。現在、両炉とも廃止措置作業が進められており、それに伴う廃棄物を中心的に処理する施設として使用済み燃料中間貯蔵施設(ISFSF)やSWMSF、低中レベル廃棄物の浅地層処分場などの建設が並行して進展中である。

 イグナリナ発電所の敷地内と隣接区域に分散立地するSWMSFは、既存の暫定貯蔵施設から廃棄物を回収する設備(B2)と処理・貯蔵設備(B3/4)で構成されており、2005年にドイツのNUKEMテクノロジーズ社がターンキーによる設計・建設・試運転の契約を受注した。建設費は当初1億2,000万ユーロと見積もられていたが、設計変更等により現在では1億8,400万ユーロ(約250億円)に増加。イグナリナ発電所廃止措置の一環として欧州復興開発銀行(EBRD)が管理する「イグナリナ国際廃止措置支援基金(IIDSF)」から財政支援を受けており、欧州委員会(EC)と欧州の15か国がIIDSFに資金供給している。

 SE-INPPのD.ヤヌルビチュスCEOはSWMSFの予備試運転開始を受けて、「欧州でも最も先進的かつ安全な放射性廃棄物管理インフラになる」と強調。イグナリナ発電所を環境に最も優しくコスト効果の高い手法で廃止する上で、最も重要な役割を果たすと指摘した。また、発電所そのものの廃止措置は2038年までの完了を予定しているが、SWMSFが完成すれば廃止措置計画全体を成功に導くターニングポイントになるとの認識を示している。