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IAEA理事会:イランの核開発問題解明で事務局長による検証・監視活動の実施を承認

2015年8月27日

©D. Calma/IAEA

       ©D. Calma/IAEA

 国際原子力機関(IAEA)の理事会は8月25日、国連安保理5か国とドイツが7月に最終合意した包括的共同行動計画(JCPOA)に基づいて天野之弥事務局長がイランの誓約を検証・監視していくことを承認した(=写真)。理事会はまた、安保理に実施要請されたイランでの活動に必要な2016年経費の追加分920万ユーロ(約12億6,000万円)についても、加盟各国に拠出要請することを承認しており、それに伴う予算とプログラムの変更を了承した。天野事務局長は今後、イランの原子力プログラムにおける軍事的側面の存在について、過去から現在までの未解決問題解明に向けた「ロードマップ」の全活動を10月15日までに完了し、事務局長としての最終評価結果を12月15日の理事会で明らかにする予定だ。

 同理事会で事務局長はまず、JCPOAでの合意により、イランがIAEAの包括的保障措置協定・追加議定書、および透明性対策として知られる追加誓約を実行することになった事実に言及した。追加議定書の下でIAEAは現在、120の加盟国で関連情報とサイトにアクセスする拡大権限を行使。加盟国の原子力プログラムや計画、核物質の保有量と取引等について、IAEAが一層詳しい全体像を得られることから、追加議定書は未申告の核物質や活動が存在しないことをIAEAがより確実に検証する力強いツールになるとした。また、透明性対策の一環として、IAEA査察官がウラン鉱山や製錬所への査察を強化するとともに、遠心分離機の製造と貯蔵場所に関する調査も継続的に実施すると明言。このような対策はイランが受け入れた保障措置協定と追加議定書の範囲を超えるものであり、IAEAがイランの原子力プログラムについて理解を深めるのに役立つと指摘した。

 7月にIAEAが検証・監視活動の具体的な枠組となる「ロードマップ」でイランと合意した際、核開発関連活動が広範囲に行われた疑いのあるパルチン・サイトの問題については別途調整するとIAEAは説明していた。しかしその後、IAEAが同サイトの査察責任をイラン側に委ねることを示唆する報道があったため、天野事務局長は8月20日にこれを明確に否定する異例の声明文を発表。その他の加盟国と結んだ調整取り決めと同様、イランとの特別取り決めは機密事項であり、公にしないという法的義務を負っているとした。その上で、「同取り決めが技術的に確実であり、IAEAが長年にわたって確立してきた査察方法に沿ったものだと断言できるし、我々の保障措置基準を損なうことにはならない」と明言。イランと合意した「ロードマップ」が厳しいスケジュールを伴う非常に堅固な取り決めであることを強調した。