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就活生 エネルギー・環境問題に高い関心と低い理解 トレンド総研調査

2015年9月7日

TrendoSokenEnergytheme

    ⓒトレンド総研


 生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研は9月3日、大学生などを対象に行ったエネルギー・環境問題をはじめとする社会問題への意識や理解度についての調査結果を発表した。同調査は市場調査企業の楽天リサーチが2015年8月上旬、就職活動をしている10代から20代の大学生、大学院生、短大生など300名を対象にネットで実施した。
 8つの社会問題から意識・関心が高いテーマを問う設問では、理系では「環境」(68%)、「資源・エネルギー」(65%)、「災害・事故」(57%)が上位3位を占めたのに対し、文系では「政治・行政」(76%)、「社会制度」(73%)、「経済」(68%)が上位3位となっており、理系と文系の大学生の間で大きな差が見られた。特に「エネルギー・環境問題」について、理系の大学生で上位2テーマだった「環境」が文系だと第7位(61%)、「資源・エネルギー」が文系だと第8位(59%)と下位2テーマになっており、顕著な差が見られた。
 さらにエネルギー問題および環境問題のそれぞれについて特に興味・関心の高いテーマを問うと、環境問題では「地球温暖化」(68%)が1位で、2位の「大気汚染」(43%)に大きく差をつけた。一方エネルギー問題では各テーマに総じて高い関心が示され、特に「原子力発電のニーズとリスク」(75%)、「太陽光発電などの再生可能エネルギー」(73%)、「二酸化炭素の排出量と温暖化リスク」(72%)が上位となった(=グラフ)。
 しかしエネルギー・環境問題に関する10個の情報に対して二択で正誤を答える問題では、全体的に非常に低い正答率にとどまった。特に正答率46%と最低だったのは「2015年7月時点で、日本の原子力発電所は全て稼働を停止している」との設問で、8月に川内原子力発電所が再稼働するまでの約2年間にわたり、日本の全原子力発電所が稼働していなかったという事実を正確に理解している人が非常に少なかった。
 調査の結果を受け、鈴木寛東京大学公共政策大学院教授/文科相補佐官は、「最大の課題は、科学的事実に基づいてエネルギー・環境問題を理解するには、“十分な情報”が圧倒的に足りないこと」であるとし、様々な立場から発信された多様な情報を取捨選択し多角的に問題を捉えるためには、“量”と“質”の両面で十分な情報が必要だと強調した。また、一部メディアの原子力発電に関する否定的な報道ぶりを見て、多くの学生はエネルギー問題から目をそらし距離を置いているのが実態であるとの見解を示し、原子力発電に賛成でも反対でも凝り固まった一面的な物の見方にこだわって思考停止するのではなく、ファクトとデータに基づいて熟議を重ねていくべきとの意見を述べている。