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スウェーデン:バッテンフォール社がリングハルス1、2号機の早期閉鎖を最終決定

2015年9月7日

©バッテンフォール社

©バッテンフォール社

 スウェーデンのバッテンフォール社は9月4日、リングハルス原子力発電所(=写真)1、2号機(90万kW級のBWRとPWR)の運転期間について4月に公表していた方針どおり、これらへの投資は最長でも2020年までに限定し、永久閉鎖するとの最終決定を下したと発表した。電力価格の低迷と高額な原子力税が両炉の採算性を低下させているのが主な原因だと同社は指摘。同発電所の所有権約30%を保有する独E.ON社からの同意は未だ得られていないが、今後は2017年以降に実行するはずだった現行の投資プロジェクトを停止し、2018年~2020年に両炉を閉鎖という新たな日程に基づいて両炉の運転・保守を合理化していくとしている。

 両炉はバッテンフォール社が所有する原子炉の中では最も古く、どちらも1970年代半ばに営業運転を開始した。同社はこれらの運転を2025年まで続けるため、安全要件に準拠した改善・最新化作業を進めてきたが、電力価格が上がらないという市場状況下では、両炉で将来的に必要となる投資を続けていく余地は無いと言明するも、同原子力発電所3、4号機については、今回の決定が影響しないことを強調した。同社はまた、8月5日付けの発表の中で、スウェーデンにおける原子力税が熱出力に基づいて掛けられており、発電量とは無関係である点を説明。1kWhあたり6~7オーレ(0.8円~0.9円)という原子力税が同社の所有原子炉で発電コストの5分の1まで占めているにも拘わらず、政府が同税の17%値上げを提案していることを明らかにした。

 同社はこのほか、今回の決定が、ある筋からはスウェーデンにおける原子炉建て替えの議論にとって命取りと受け取られている点に言及。T.ワールボリ発電担当上級執行副社長は「技術的な寿命が来る前に原子炉を閉鎖するのは純粋に商業上の理由による」と述べた。その上で、「確かに今日のように電力価格が低い状態では、いかなる形態の電源設備も補助金なしで建設することは不可能だ」とコメント。電力が余り、風力発電が拡大しつつあるというスウェーデンの現状を考慮すれば、原子炉も(現在の)10基は必要ないということに注目すべきだと指摘した。

 同国では2011年初頭の法改正により、既存炉10基に限り建て替えが許されることになり、バッテンフォール社ではリングハルス発電所の建て替えを念頭に2012年から情報収集などの事前調査を開始した。しかし、昨年10月に発足した新政権は脱原子力政策を表明し、バッテンフォール社にも同調査の停止を命じるとしていた。