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ケニア:原子力導入計画で中国と協力覚書、「華龍一号」設計の建設可能性を協議

2015年9月10日

©CGN

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 中国広核集団有限公司(CGN)の9月7日付けの発表によると、CGNはケニアで原子力発電導入プログラムの実施を担当するケニア原子力発電委員会(KNEB)と原子力開発と建設に関する協力覚書を締結し、中国が独自ブランドの輸出用第3世代設計と位置付ける「華龍一号」をケニアで建設する可能性を探っていくことになった(=写真)。ケニア政府が2030年までに100万kW級原子炉4基の建設を目指していることから、同覚書を通じて両者は、原子力発電の研究開発から、建設、運転、燃料供給、原子力安全・セキュリティ、放射性廃棄物管理、および廃止措置に至るまで、包括的な協力活動を展開するとしている。CGNとKNEBの協力関係は2012年にケニア側代表団が中国を実地調査に訪れたのを機に始まり、今年5月にはCGN側がケニアを訪問。両者間の協力強化で合意していた。

 4,700万人の人口を擁するケニアの経済規模はアフリカで第9位だが、総発電設備容量は200万kW程度であり、約半分が水力発電。電化率も全人口の約30%で、地方では10%足らずという現状から、同国政府は2030年までにケニアを中所得レベルの新興国とするための開発戦略「ケニア・ビジョン2030」に沿って、持続可能な経済成長の鍵と位置付けたエネルギー源の開発計画を進めている。現在の目標としては2016年までに電源設備を500万kWに拡大し、2030年には1,700万kWに到達することを目指している。原子力は国内の電力需要を満たす多様な電源の1つとして導入を計画しており、政府は2010年10月に原子力プロジェクト委員会を設置。同委は2012年11月にKNEBに改組されている。エネルギー・石油省が2011年11月に開始したプレ・フィージビリティ・スタディもすでに完了し、今年8月には国際原子力機関(IAEA)による「統合原子力インフラ審査(INIR)」がケニア政府の要請を受けて行われた。

 INIRは、最初の原子炉を起動する前に建設サイトや安全設計等について自発的に受けるようIAEAが新規導入国に要請しているもの。10名の専門家で構成されたIAEAのINIRチームは、同国で原子力インフラ要件の審査が総合的に進展した点を評価する一方、改善が必要な分野として、原子力開発プログラムを進めていく際の要件や主要目標の設定、法的および規制上の枠組整備を指摘している。