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豪州の議会委員会:インドへのウラン輸出で核不拡散上の取り組み強化を勧告

2015年9月11日

 オーストラリア議会の両院合同条約常設委員会(JSCOT)は9月8日、インドへの豪州産ウラン輸出を可能にする両国間の原子力協力協定批准に際しては、実際の輸出を行う前にインドの原子力発電施設における原子力安全・セキュリティ規制を強化すべきなどと勧告する報告書を議会に提出した。同国のウランが核兵器開発に転用されるリスクへの懸念を表明したもので、核実験禁止条約の調印をインドに迫るなど、インドが真の軍縮を進展させるよう外交ルートを通じて促すことも求めている。

 豪州はウラン埋蔵量で世界最大であるものの、核拡散上の懸念から核不拡散条約(NPT)に加盟していないインドへのウラン輸出を禁じてきた。しかし、米国提案を受けて原子力供給国グループ(NSG)が2008年9月にインドへの原子炉や核物質の輸出規制を解除して以降、国際社会は実質的にインドとの原子力貿易を解禁。豪州政府も2014年9月、今後数10年にわたってインドの新設炉に豪州産ウランを装荷するための法的枠組となる2国間の民生用原子力協力協定を同国と締結した。

 JSCOTによると、インドとの原子力貿易により豪州のウラン採掘業界ではウラン生産量と雇用者数ともに倍増する見通し。貿易収入も17億5,000万豪州ドル(約1,500億円)の増加が見込まれる。南オーストラリア州や西オーストラリア州のように、ウラン採掘量が増加する遠隔地域では特に重要な取引であるほか、クイーンズランド州でも州政府が採掘を許可すれば、大きな利益が得られるとした。また、豪州のウランは、現時点で電気のない生活を強いられている4億ものインド国民に低炭素な電力を提供する一助になるとの認識も示している。