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英国政府:ヒンクリーポイントC建設計画に20億ポンドの政府保証

2015年9月24日

 英国財務省は9月21日、フランスのEDFエナジー社がサマセット州で進めているヒンクリーポイントC原子力発電所(HPC)建設計画に、20億ポンド(約3,700億円)の政府保証を付与すると発表した。同国で約20年ぶりという一連の原子力新設計画に対する政府保証としては最初のもの。長期的にはさらなる額の支援が可能になる見通しだが、財務省ではこの決定により、EDFエナジー社が近々同計画について下す最終投資判断や、中国広核集団有限公司(CGN)と中国核工業集団公司(CNNC)による30~40%の出資支援の下準備が整ったとしている。

©英財務省

    ©英財務省

 今回の発表は、G.オズボーン財務相(=写真)が第7回経済・財務協議のために公式訪問中だった中国で行っており、HPC計画への具体的な政府保証は、インフラ投資に関する官民連携のための省庁横断的統括組織として省内に置かれている「インフラストラクチャーズUK」が提供するとした。同相は声明の中で、HPCの建設と運転がサマセット州のみならず、英国全土の原子力産業であまねく雇用を生み出し、英国のエネルギー供給保証を大幅に強化すると指摘。英中両国間では前例のない原子炉の建設協力に道を拓くとともに、2014年に中国と調印した原子燃料サイクル分野の協力覚書の下で実施中の作業を促進することにもなると述べた。同覚書では、英国が蓄積してきた放射性廃棄物や廃止措置に関する専門的知見を中国が活用する可能性が盛り込まれている。

 オズボーン大臣はまた、「原子力発電は他の低炭素電源と比べてコスト競争力が高く、シェール・ガスなどの新しい電源とともに英国のエネルギー・ミックスにおける重要な一部分」と強調。今回の訪中では英国の原子力産業に対する中国の投資についても協議する予定だとした上で、世界最古の民生用原子力発電国である英国と、世界最速で民生用原子力発電を進める中国のゴールデン・パートナーシップを前進させる新たな推進力になるとの認識を示した。

 英国政府によるHPC計画への財政支援は、昨年10月に欧州委員会(EC)が「国家補助規則に適合する」として承認しており、財務省は今回の20億ポンド保証がその承認の範囲内であると明言。EDFが一定の条件を満たし英国政府が全面的に承認した場合は、それ以上の金額が利用可能になるとした。また、HPCの発電電力1,000kWあたり92.50ポンドという買い取り行使価格は、後続のサイズウェルC計画の実行が確定した場合に89.50ポンドに減額される点を強調。この行使価格が市場卸売価格を上回ればEDFエナジー社が差額を支払い、下回った際は政府が差額を支払うという差金決済取引(CfD)契約は原子炉毎に35年間有効だが、それぞれの起動目標日程に間に合わなかった場合は契約期間も削減されることを明らかにしている。

 財務省はこのほか、民生用原子力分野における中国との協力強化のため、5,000万ポンドの共同出資により、英国に最先端の原子力研究センターを設立することで両国が合意したと発表した。また、英国カンブリア州と中国四川省の間では地方協力協定を締結し、放射性廃棄物や原子炉廃止措置に関する英国の先進的な専門的知見について商業的連携を深めることになった。このような協力活動には、急速に成長する中国原子力市場に対する英国企業の参入も含まれるとしている。