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米テラパワー社と中国:第4世代の進行波炉の共同開発で了解覚書

2015年9月28日

了解覚書の調印式©CNNC

     了解覚書の調印式©CNNC

 米国のテラパワー社は9月23日、同社が進めている第4世代の原子力発電技術である進行波炉(TWR)の原型炉を中国核工業集団公司(CNNC)と共同開発していくことになったと発表した。22日にワシントン州シアトルで両者が了解覚書を締結したもので、今後はどのような形で合弁が可能かなどについて作業を詰めるが、協議は順調に進展中だとしている。

 テラパワー社はマイクロソフト社の創業者として知られるビル・ゲイツ氏が後援する原子力開発ベンチャー企業。規模の縮小拡大が可能で温室効果ガスを出さず、持続可能かつコスト競争力のあるエネルギー源の開発に同氏が乗り出した2006年に、テラパワー社の企業理念が創案された。TWRは劣化ウランや天然ウランなどを燃料に、少なくとも40年間は燃料交換や使用済み燃料の搬出なしで運転継続が可能と言われる次世代型の高速炉で、冷却材には液体金属ナトリウムを使用する。同社はCNNCとの協力によって、民生用原子力発電における安全性や環境影響、およびコスト面での課題を克服する新たなオプションを開拓し、世界中にその恩恵をもたらしたいと強調。具体的にはTWR設計の完成と商業化への移行を目指すと見られている。

 CNNCの銭智民総経理とともに同覚書に調印したテラパワー社のL.マッキンタイアCEOによると、覚書締結に至るまでには米中両国政府の同意を必要とした。過去7年間に米国側では国務省やエネルギー省、国家核安全保障局(NNSA)、米原子力規制委員会(NRC)などの関係者が、技術的および政策的な協議に関してテラパワー社の専門スタッフと緊密に連携したという。調印式にはビル・ゲイツ氏のほか、中国商務部の副大臣やワシントン州副知事らも出席した。