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規制委員会が原子力機構・児玉理事長らと意見交換

2015年10月2日

 原子力規制委員会は9月30日夕刻、日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長らとの意見交換を公開の場で行った。
 児玉理事長は、原子力機構の安全確保・安全文化醸成に向けた取組や、安全研究、人材育成、情報発信、国際連携、研究施設廃棄物処分を通じた国全体の原子力安全性向上への貢献とともに、個別の課題として、試験研究炉の新規制基準対応、施設の高経年化対策、東海再処理施設の取扱い、バックエンド対策などについて説明した。東海再処理施設については、原子力機構が2014年9月に取りまとめた集中改革報告書で、六ヶ所再処理工場への技術移転をほぼ完了し、軽水炉とは異なる「ふげん」の使用済みMOX燃料などを残すところだが、運転のための新規制基準対応として1,000億円超の費用が見込まれることから、海外委託の可能性を視野に、次期中期目標期間(2015年度~)中に廃止措置計画を申請する方向で検討を進めるとしている。原子力機構が、東海再処理施設に関するリスクの低減、廃棄物処理等の推進、新規制基準対応、廃止措置への移行などの課題に対応するスケジュールを図示したのに対し、更田豊志委員は、施設内に保有する高レベル放射性廃液のリスクを指摘し、「将来どれだけの仕事が見込まれるかを『見える化』して欲しい」と述べ、今後、組織内で適切な資源配分がなされることを求めた。
 また、9月24日の就任会見で将来の人材確保を課題にあげた伴信彦委員は、従業員教育に関し「部門、人、能力に応じてアプローチは異なる。細かく何が必要なのかを見極めて」としたほか、原子力機構が経営資源確保のため掲げる「施設の集約化・重点化」の一方で、施設の廃止により、リーダーとなる人材の士気が低迷していくことを憂慮した。これに対し、児玉理事長は「正にトリアージ(非常時などに緊急度に応じて優先順を決定し選別すること)だ」などと述べ、困難な問題に直面しているという認識を示した。
 「もんじゅ」の点検不備問題については、これに先立つ同日午前の規制委定例会合で、法令に基づく報告徴収を発令することとなり、原子力機構から報告を受けてから改めて説明を求めるとしている。
 昨秋に始まった規制委員会と事業者との意見交換は、運転中の原子力発電所を有する電力10社、日本原燃、今回の原子力機構と順次行われており、今後、田中俊一委員長は、「第2ラウンド」も検討するとしている。