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米国の原子力意識調査:「原子力のCO2削減効果を知らせることで支持が拡大」

2015年10月2日

 米原子力エネルギー協会(NEI)は9月30日、ビスコンティ研究所が実施した最新の原子力意識調査の結果を公表した。米国では1980年代の終盤以降、原子力支持派の割合が常に反対派を上回っているが、今回調査では発電部門の温室効果ガス排出抑制に原子力が一定の役割を果たしていると認識することで、大多数の米国民が「将来的な米国のエネルギー供給と環境保全のために原子力は重要」との確信を深めた事実が浮き彫りになったとしている。

 この調査は、ビスコンティ研究所が8月30日から9月16日にかけて、市場調査会社のクエスト・グローバル・リサーチ社とともに、全米1,000人の成人を対象に電話で実施した。それによると、回答した米国民の84%は、低炭素電力の3分の2を原子力が供給している事実を知った時点で「原子力を将来的に重要な電源とすべきだ」という考えに同意。50%は「非常に重要な電源」と回答していた。同研究所のA.ビスコンティ所長は、「CO2対策における原子力の役割を周知させることは、目を見張るほど効果がある」と指摘。ひとたび低炭素電源ミックスの中で原子力が及ぼす影響力の大きさに気付けば、原子力の将来価値に対する米国民の確信は、性別や党派を超えた万民共通のものになるとし、原子力が将来的に重要と答えた人達は、人口統計学上の全グループにおいて、少なくとも8割にのぼっていたと明言した。

 同様に、環境保全に対して米国民が抱いている価値観を反映し、83%が「電力需要を満たすためには原子力や水力、再生可能エネルギーを含めたすべての低炭素電源を活用すべきだ」と回答。CO2対策における原子力の価値を詳しく知らない場合でも、64%が原子力発電を支持していた。この数値は、今年3月に行った前回調査結果から4ポイント下ったものの、64%のうち26%はその活用を「強く支持」していたとしている。また回答者の79%は、政府系輸出信用機関として国内企業の輸出事業促進のために低金利融資を提供してきた米輸出入銀行(US EXIM)の存在意義に賛同。連邦議会は1934年から80年以上にわたって同行の再承認手続を取ってきたが、今年6月末に初めてその認可が失効した。ビスコンティ研究所では、米国企業が商業用原子力技術とサービスの国際市場に参加する上で、同行の再承認が原子力産業界の最優先の政策事項である点を強調した。