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東大宇宙線研究所の梶田隆章教授がノーベル物理学賞受賞

2015年10月7日

 東京大学宇宙線研究所教授の梶田隆章氏(56歳、=写真、東京大学提供)が10月6日、2015年ノーベル物理学賞を受賞した。同氏は、素粒子の一つであるニュートリノに関して研究を行い、岐阜県にある大型宇宙素粒子観測装置「スーパーカミオカンデ」を用い、「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象を証明することで、ニュートリノが非常に小さい質量を持つ証拠を示し、その後の素粒子物理学や宇宙物理学に大きなインパクトを与える成果となった。日本のノーベル物理学賞受賞は2年連続で11人目。KAJITA
 同日、東大本郷キャンパスで記者会見を行った梶田氏は冒頭、「非常に光栄。頭の中が真っ白で何を話していいかわからない」と述べた後、記者団からの質問に対し終始笑顔で応えるなど、受賞の喜びにあふれていた。
 同氏は、2008年7月に逝去した元高エネルギー加速器研究機構長の戸塚洋二氏の功績が自身の栄誉につながったことを繰り返し強調したほか、今回受賞理由となった成果についても、「一人でできるものではない」として、「スーパーカミオカンデ」で一つの目標に向かって共同で研究を進めてきた100人を超えるチーム員に対し、感謝の意を述べた。
 2008年から宇宙線研究所長を務めている梶田氏は現在、アインシュタインの相対性理論による予言で、唯一未だ直接観測されていないという「重力波」の研究に取り組んでいる。
 同席した五神真東大総長は、今回のノーベル物理学賞受賞の背景として、「日本の基礎研究の強み」を強調した。
 また、会見の途中で、梶田氏は、安倍首相よりお祝いの電話を受けた。その中で、安倍首相は、前日の大村智博士の生理学・医学賞に続き、2日連続の日本人ノーベル賞受賞の快挙について「日本中が今、喜びに沸き立っている」と祝福した上で、「若い皆さんにも勇気を与えていただきたい」と、今後のさらなる活躍に期待をかけた。