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ロシアとアルメニア:原子力と放射線安全に関する情報交換で政府間協定

2015年10月8日

©ロスアトム社

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 ロシアの国営原子力総合企業ロスアトム社は10月7日、原子力施設における原子力と放射線安全関連情報の交換でアルメニアと二国間協定を締結したと発表した。両国はまた、アルメニアで唯一稼働するアルメニア原子力発電所2号機の運転期間延長プロジェクトで協力関係にあることから、同じ日に2つの関連文書に署名したことを明らかにしている。

 情報交換協定への調印はロスアトム社のS.キリエンコ総裁とアルメニアのE.ザハリャン・エネルギー天然資源相が行った(=写真)。同協定の目的は国際原子力機関(IAEA)による勧告事項を実行に移すことで、双方の領土内で行われている原子力の平和利用活動について、早期に通報し合うための条件が定められている。両国は今後、同協定に従って原子力と放射線安全に関する情報を常に交換していくが、情報交換する際の手続きや情報量の設定など、誓約事項の具体的な実施方法についても策定するとしている。

 一方、アルメニア2号機の運転期間延長プロジェクトに関して署名した2文書のうち、1つは両国の共同調整委員会・初会合の議事録。この委員会は、同プロジェクトについて両国が昨年12月に締結した政府間協定を実行に移すために今年3月に設置されており、双方の活動内容の調整や、作業結果の定期的な評価などを行っている。もう1つは、同炉のシステムや構造物、機器についてロシア側が実施した包括的点検活動の中間報告書22件をアルメニア側が認証するための文書で、運転期間延長の準備作業プログラムが含まれる。これまでの点検活動では100名以上の専門家がサイトを視察し、4,500もの機器を点検したとしている。

 アルメニア原子力発電所は、旧ソ連時代に首都エレバンから30キロメートル離れたメザモールに建設された。40万kW級ロシア型PWR(VVER)の2基が稼働していたが、1988年の大地震を受けて1号機は安全上の懸念から翌年に永久閉鎖。同2号機は旧ソ連から独立直後の電力需要を賄うという経済的重要性から1995年に再稼働されたものの、2016年9月で運転停止が予定されているため、政府は2012年、同炉の運転期間を2026年まで10年延長することを決めた。このための改修作業は2017年より行う計画で、経費はロシアからの融資3億ドルを充てることになる。