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天野IAEA事務局長 「原子力技術の平和利用でエボラ出血熱などの健康分野にも貢献」

2015年10月9日

AmanoIAEAUNUDSCF4901 国際連合大学は10月8日、来日中の天野之弥国際原子力機関(IAEA)事務局長とS.フォン・アインジーデル同大学政策研究センター所長の対談「Atoms for Peace and Development(平和と開発のための原子力)」を都内の同大レセプションルームで開催した。
 天野事務局長は、2015年7月のイランの核問題に関する最終合意である包括的共同行動計画(JCPOA)の実施について言及し、高い専門性を持ったIAEAスタッフが、イランの原子力計画に関する懸念を解消するための環境サンプリングなどに取り組んでいる状況を説明した。
 また2011年の福島第一原子力発電所の事故については、8月末に発表した「福島第一原子力発電所事故最終報告書」で「日本の原子力発電所は安全であるとの想定が日本で広く受け入れられていたことが事故の大きな要因」とする巻頭言を自ら綴ったと強調し、このような事故は世界のどこでも起こりえるものとして教訓を共有していくことを改めて確認した。
 さらにIAEAは「核の番人」であるだけではなく、放射線利用を通して人々の健康や農業技術向上に貢献していることを力説。エボラ出血熱が広がるアフリカ諸国に短時間でウイルス感染を検出できる検査機などを提供し、迅速な診断につながった例などを報告した。
 会場からの質疑応答では、放射線理解促進への取り組みに悩む相談者に、情報の送り手と受け手の双方向のコミュニケーションを地道に続けていくことが理解につながると助言するなどした。