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原子力機構「楢葉遠隔技術開発センター」開所式が行われる、安倍首相も来席

2015年10月20日

 日本原子力研究開発機構が、福島第一原子力発電所の廃止措置に向けて、楢葉町の工業団地内に建設を進めていた「楢葉遠隔技術開発センター」の一部運用開始に伴い、開所式が10月19日に行われた。同施設は、今後の福島第一における燃料デブリ取り出しに向け、建屋内での調査・作業に必要な遠隔操作ロボットの開発・実証試験などを行うほか、2020年を当面の目標に新たな研究・産業拠点の整備を図る「福島イノベーション・コースト構想」との連携も視野に入れながら、地域再生の実現を目指し活用していく。

開所式で挨拶に立つ安倍首相

開所式で挨拶に立つ安倍首相

 開所式には、福島県を訪問中の安倍晋三首相他、髙木毅復興大臣、内堀雅雄福島県知事も来席し、福島高専の学生や会場に多数詰めかけた報道陣らとともに、原子炉格納容器内部調査に用いられるサソリ型ロボットのデモンストレーションを視察するなどした。安倍首相は、挨拶の中で、「未知への挑戦」となる福島第一の廃炉が、安全にできるだけ早急に進捗することを望むとともに、イノベーションを通じた福島復興に向けた意気込みを、「技術が人を呼び、人が新たな技術を生む」と強調し、福島が新産業の生まれる地として再生するよう、遠隔技術開発センターが「さらなる復興の起爆剤」となることを期待した。

サソリ型ロボットのデモンストレーション(東芝・IRID開発)

サソリ型ロボットのデモンストレーション(東芝・IRID開発)

 このほど運用開始となったのは、利用者の居室、会議室、作業者の訓練を行うバーチャルリアリティシステムを設置した研究管理棟で、遠隔技術開発センターの本格運用は2016年度からとなる。児玉敏雄・原子力機構理事長は、開所式終了後、記者団のインタビューに応じ、「一つ一つの課題に向かって機構としての役割を果たしていく」と、福島第一廃炉に向けた研究開発に取り組む考えを述べ、喫緊の課題としては、2016年3月しゅん工予定の試験棟で実証試験が行われる原子炉格納容器下部の漏えい箇所の補修・止水技術をあげた。