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今冬の電力需給見通し、予備率3%確保されるも火力酷使で「引き続き予断を許さぬ状況」

2015年10月21日

 総合資源エネルギー調査会の小委員会は10月20日、今冬の電力需給見通しに関する報告書を取りまとめた。今夏と同じく、いずれの電力管内でも、電力の安定供給に最低限必要な予備率3%以上を確保できる見通しで、今後、官邸レベルの会合に諮られ、政府としての電力需給対策として決定する運び。
 需給検証に当たって、供給面では、既に再稼働している九州電力川内1号機を除き、今年度原子力は稼働しないことを前提とし、一方で、火力については最大限供給力として見込んでいるが、震災以降、高稼働に伴う機器や部品の劣化が要因とみられる計画外停止が増加していることから、今冬に向けて電力需給は、引き続き予断を許さない状況にあると警鐘を鳴らしている。今回の報告書によると、全国の火力発電の計画外停止数は、2010年度に483件だったが、2012年度は590件、2014年度は604件と、増加傾向にある。さらに、量的バランスにとどまらず、原子力発電所の稼働停止に伴い、火力のたき増しによるコスト増も深刻な問題となっており、震災前並み(2008~2010年度の平均)にベースロード電源として原子力を利用した場合に比べ、2015年度の燃料費は2.3兆円増加するとの推計試算を示している。
 また、冬季に電力需要がピークとなる北海道電力においては、「過去最大規模以上の電源脱落リスクへの特段の対応を行うことが必要」としており、小委員会では、電源開発より、北海道・本州間電力連系設備の信頼度向上対策について説明があった。
 なお、報告書では、10月15日に原子炉を起動した九州電力川内2号機の再稼働を考慮した場合、2月は、九州電力で予備率が4.7%から8.8%へ、9電力では同じく6.2%から6.6%に改善するとの試算を示している。
 電気事業連合会は10月16日の定例会見で、今冬の需給見通しに関し、「依然として火力発電を酷使する厳しい状況」として、気温低下による需要増加や、設備トラブルによる供給力の変動リスクに備え、需給両面において最大限の取組を進めていくとしている。