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米WH社:英国政府にSMRの共同開発を提案

2015年10月22日

 東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社は10月20日、英国政府に対して小型モジュール炉(SMR)の共同開発を提案したと発表した。英国政府がSMRの潜在的な可能性に関して近年開始した「第2段階調査」を補完することを意図しており、この共同開発を通じて、英国は世界の原子力市場において買い手の立場から、最新原子力技術の提供者となることができるとの展望を示した。同社製の大型炉設計であるAP1000については現在、英国ムーアサイドで3基を建設する計画が進展中。一方SMR関連では、米国のニュースケール社が今月5日、独自開発中の設計で英国の原子力市場に参入する計画を明らかにしたことから、WH社も原子力市場の見通しが米国より明るい英国で、事業チャンスの一層の拡大を狙う考えと見られている。

 WH社は今回の「一方的な」提案について、同社が開発中のSMR概念設計に基づく「共有の設計・開発モデル」になると説明した。英国政府および産業界との連携を通じて同設計の開発と認可手続を完了する計画で、AP1000設計の革新的技術を活用した、安全でクリーンな原子力の新オプションを創造することになると強調している。J.ベンジャミン上級副社長によると同提案は、約60年前の原子力発電黎明期にコールダーホール発電所を開発した英国を、SMR開発の最先端に押し出すことができる戦略。英国産業界が全面的に関与することと、雇用創出につながる新規の製造活動を促進するよう意図しているため、原子力技術革新における同国の地位を向上させるとともに大きな経済チャンスが生み出されると明言した。

 WH社のSMRは、電気出力22.5万kWの一体型PWRで、すべての1次系機器を圧力容器内に収納。技術が確証済みの機器や受動的安全系に加えて、モジュール工法など大型のAP1000で認可された技術を採用した。米国では標準設計の1つに認定されるための審査を受ける予定になっており、これに先立ち実施する安全試験プログラムについては、今年3月に米原子力規制委員会(NRC)から承認を得ている。一方、英国政府との連携においてWH社は相当量の試験・分析を実施する計画で、それによりSMRの技術開発を成功に導く、明確で信頼性のある道筋をつけられるとの認識だ。

 連携の具体的な方式としてWH社は、英国を本拠地とする企業をWH社と英国政府および英国産業界の共同所有という形で設立することを提案。産業界が同SMRの設計・開発に積極的に加わることにより、SMR開発で主導権を握るという英国政府の目標達成に拍車がかかるとしており、WH社はすでに、支援を申し出た英国の多数の主要企業と協議中であることを明らかにしている。