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ベトナム:GEH社と人材育成支援を含めた原子力発電インフラ整備で協力覚書

2015年10月28日

 米ノースカロライナ(NC)州に本拠地を置くGE日立・ニュークリア・エナジー(GEH)社は10月26日、原子力の導入計画を進めているベトナムに対し、関連インフラ整備で支援提供する覚書(MOU)をベトナム原子力庁(VAEA)と締結したと発表した。同社が開発したESBWR(高経済性・単純化BWR)技術や原子力プロジェクト管理に関する理解を深めてもらうとともに、民生用原子力関係の有能な人材を育成するための支援を提供する計画。安全文化や品質保証分野における実務経験も伝授するとしている。ベトナムは2030年までに1,000万kW以上の原子力発電設備建設を計画しており、米国では同国の原子力市場は200億ドル規模に成長すると予想。最初の4基・400万kW分の建設計画で受注を分け合ったロシアと日本に続き、同市場に参入する方針であり、同国との二国間原子力平和利用協力協定も昨年発効済みとなっている。

 

©GEH社

           ©GEH社

 ハノイで行われた覚書調印式には、GEH社とVAEAの上級幹部に加えてベトナム科学技術省の副大臣や在ベトナム米国大使館の担当副部長も出席(=写真)。GEH社は同様の覚書を今年2月にベトナム放射線防護・原子力安全機構(VARANS)とも締結しており、今回の覚書は、過去数か月間にGEH社がベトナムと結んだ覚書としては4件目となる。同社はまた、ハノイ工科大学(HUST)と昨年10月に原子力工学・技術分野の協力覚書を調印しており、同大学の学生や卒業生がGEH施設で業務体験するインターンシップ・プログラムなどの機会を提供。同大の学生を含む12名が最近、NC州ウィルミントンにあるGEH社・本社で同インターンシップを修了したことを明らかにした。

 ベトナム初の原子力発電所となるニン・トゥアン省フォック・ディン村の第1発電所計画については今年8月、ロシアのエンジニアリング企業ASE-NIAEP社がベトナム電力公社(EVN)と、建設工事の第1段階を実行に移すための一般枠組協定(GFA)を締結した。120万kW級のロシア型PWR(VVER)シリーズ「AES-2006」を2基建設する計画が具体的に動き出したことから、ロシアの国営原子力総合企業ロスアトム社は10月27日、ベトナム原子力委員会(VINATOM)と共同で原子力発電技術の環境上の安全性と社会的側面に関するワークショップをハノイで開催した。原子力導入国に対する原子炉輸出プロジェクトにおいて、ロスアトム社では原子炉の設計・建設だけでなく、関連法整備や人材育成、PAの改善方法に至るまで、関連インフラの整備等でトータルな支援サービスを提供する方針。ベトナムの原子炉初号機を成功裏に建設するためには、PA対策もまた重要な課題との観点から、同ワークショップではロスアトム社が手がけたロシア内外の原子力施設における原子力・放射線セキュリティの確保、VVERの環境適合性や安全性、ロシア国内の既存炉で行われている環境モニタリングと防護策等について経験を披露したとしている。