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カザフとの首脳会談、原子力発電所建設プロジェクト実現に向け協力確認

2015年10月29日

 10月22~28日に中央アジア諸国を訪れた安倍晋三首相は、最後の訪問国のカザフスタンで27日、ナザルバエフ大統領と首脳会談を行い、原子力発電所建設、鉱物資源開発、産業人材育成など、経済・エネルギー分野の協力や、軍縮・不拡散分野での連携を含む、両国間の戦略的パートナーシップの深化・拡大を確認し共同声明を発出した。また、日本、カザフスタンともに、それぞれ、原爆投下、セミパラチンスク核実験という「核兵器による災禍」を体験した国として、NPTを中心に据えた核軍縮・不拡散、原子力平和利用における協力を再確認するとともに、9月にCTBT発効促進会議の共同議長国を務めたことを踏まえ、全ての国に対し包括的核実験禁止条約(CTBT)の速やかな発効を求める共同声明を発出した。
 首脳会談で、両国は、原子力平和利用で「今後も世界の主導的役割を果たすための相互協力が高度に重要」との意見で一致した上、カザフスタンからは、日本の建設、運転、災害対策に関する豊富な経験から、原子力発電所建設プロジェクト実現のための協力に関心が表明された。また、両国は、核燃料の安定供給や核セキュリティにおける協力継続の重要性について認識を共有したほか、環境保全、食糧、水資源他、発電以外への原子力技術応用でも協力を深めていくことを確認し、日本は、これらの分野に関して、多国間で政策対話を行うアジア原子力協力フォーラム(FNCA)に、カザフスタンが積極的に参加していることなどを歓迎した。
 日本の首相によるカザフスタン訪問としては、2006年8月に小泉首相が、ウランを中心とする資源外交で同国を訪れており、ナザルバエフ大統領との首脳会談で、原子力平和的利用協力に関する覚書が調印された。それ以降、甘利経済産業相率いる官民合同ミッション訪問による7分野24案件の合意・署名(2007年)など、民間ベースを含め、両国間の協力は拡大し続け、2010年5月には原子力協力協定の発効に至っている。
 今回の首脳会談で、カザフスタンにおける原子力発電所建設プロジェクトの実現に向け、協力していくことが合意されたことを踏まえ、日本原子力発電と丸紅ユティリティ・サービスは10月27日、同国公営企業のカザトムプロム社と、(1)建設計画策定およびそれを実現するためのフィナンシャル・スキームに関する助言、(2)原子力利用に対する広報分野の経験共有、(3)福島第一原子力発電所事故から得た教訓に関する技術セミナー等開催、(4)安全確保および事業全般に関する専門家育成――に関する覚書を締結した。世界原子力協会の調べによると、カザフスタンでは2基・60万kWの原子力発電所が計画中となっている。