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米国:議会下院が輸出入銀行を再認可する法案を可決

2015年10月29日

 米国の議会下院は10月27日、米国企業の輸出事業促進のために低金利融資を提供してきた輸出入銀行(US EXIM)の認可を2019年まで認める法案(下院597号)を313対118で可決した。今後の審議は上院に委ねられるが、6月末に認可が満了して以降、新たな案件への融資や保証ができなくなっていたUS EXIMに復活の可能性が出てきた。US EXIMの存続については、主に下院の共和党議員が「大企業を優遇する策」として再認可に反対しており、反対派議員が委員長を務める下院・金融サービス委員会は長期間にわたってこの問題に関する審議を棚上げしていたという。現地の報道によると、賛成派議員らは今回、下院の民主党議員全員と共和党議員18名以上の署名により下院議長と委員会の協力なしで票決実施を可能にするという異例の特別措置を断行。超党派で法案可決を勝ち取ったものだが、上院・院内総務は再認可法案を単独で審議しない意向を示しており、再認可に持ち込む唯一の可能性としては、高速道路信託基金法案にUS EXIMの案件を含めて通過させることと見られている。

 米原子力エネルギー協会(NEI)のM.ファーテル理事長は、US EXIMの再認可および世界経済における米国の競争力強化に役立つ法案を可決させたとして下院議員らを称賛。次のような見解を発表した。
 US EXIMの存続は米国民に数十万もの雇用の機会を与えるもので、原子力部門においては特に、高賃金の雇用を約束。それらは、CO2を出さずに生活水準を上げる方法と認識されつつある技術分野における、米国の専門的知見を生かした雇用である。また雇用の創出以上に、米国企業が世界の原子力市場に参加することで、米国は諸外国の原子力プログラムにおける原子力安全や安全保障、核不拡散といった側面に影響力を増すことができる。現在15か国で70基近い原子炉が建設中のほか、数十基の建設が計画されているが、米国のメーカーやサービス業者が、ロシアなどのように政府が事業者に融資支援を与えている国との入札で対等に競って行くために、US EXIMは中心的役割を果たす。こうした点からNEIは、上院が下院の意見に賛同してUS EXIMの再認可を速やかに承認するよう要請する。US EXIMが運営出来ない日々が続けば米国のメーカーや業者から競争力を失わせ、勤勉な米国民から雇用の機会を奪うことになるだろう。