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アルゼンチン:国内4基目の建設契約と5基目の建設枠組協定を中国と調印

2015年11月17日

©CNNC

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 アルゼンチン国営原子力発電会社(NA-SA)は11月15日、国内4基目の原子炉となるアトーチャ原子力発電所3号機の建設に関する技術・商業契約と5基目の軽水炉導入計画に関する協力枠組協定を中国核工業集団公司(CNNC)と締結した(=写真)。これらの内容については、両者はすでに10月31日に合意に達しており、主要20か国・地域首脳会議(G20)がトルコで開催されていたのに合わせてアンタルヤで正式調印したもの。これら2つのプロジェクトの総投資額は150億ドルで、このうち85%は中国工商銀行(ICBC)などを通じて中国側が支援する。アルゼンチン政府は同国最大の投資プロジェクトとなるこれらの新設炉によって、同国におけるエネルギー供給が将来的に保証され、エネルギー・ミックスを多様化する基盤が築かれると強調している。

 2つの合意文書への正式調印は、アルゼンチンの経済財務相、計画投資相、外相や中国の国家発展改革委員会主任らが立ち合う中、NA-SAのJ.アンツネス総裁とCNNCの銭智民総経理が行った。4基目のアトーチャ3号機は、アルゼンチン国内で稼働する3基(うち1基は試運転中)と同じ加圧重水炉(PHWR)となる予定で、SNCラバリン社の70万kW級PHWR「CANDU6」を採用。総工費約60億ドルの同計画に対して、CNNCは技術支援や機器・サービス、資機材を提供する一方、NA-SAは同計画の所有者兼アーキテクト・エンジニアとして準備作業から設計、建設、起動、運転まで担当する。使用機器の62%はアルゼンチン製で、残り38%が中国製になるとしている。

 CNNCはすでに、2基のカナダ型PHWR(CANDU炉)を2002年から秦山3期工事として運転中。これらはカナダ原子力公社(AECL)から導入したもので、この関係でCNNCは2014年7月、AECLの商用原子炉部門を買収したSNCラバリン社との間で、70万kW級の「CANDU6」と「改良型CANDU6(EC6)」の技術に基づく第3世代原子炉を中国で共同建設していくという協力覚書を締結した。同年11月には、カナダ連邦政府の天然資源省と中国国家能源局(NEA)が、新型燃料の装荷が可能なこれらのCANDU炉(AFCR)の開発と第3国市場への輸出を含めた民生用原子力分野で両国が協力を進展させるという覚書に調印。同じ日にSNCラバリン社の100%子会社であるCANDUエナジー社とCNNCが、AFCRを中国のみならず世界中で建設していくための合弁事業枠組協定に調印していた。秦山3期工事の原子炉は、アトーチャ3号機の参照設計となることが決まっている。

 同国初の軽水炉となる5基目の計画については、NA-SAとCNNCは今回、協力の枠組協定を締結した。将来的な建設に向けた商業契約の一般的なガイドラインを定めたもので、設計については中国側の発表では、CNNCが輸出用の第3世代設計と位置付ける100万kW級の「華龍一号」になるとした。同設計の採用計画としては、中国福建省で福清原子力発電所5号機が5月に正式着工しており、CNNCは同設計の実証プロジェクトが建設段階に入ったことを強調している。