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ベルギー:規制当局がドール3とチアンジュ2の再起動を許可

2015年11月18日

 ベルギーで2012年に原子炉容器(RV)からヒビの兆候が検出され、停止していたドール原子力発電所3号機とチアンジュ原子力発電所2号機について、ベルギー連邦原子力規制局(FANC)は11月17日に再起動を承認すると発表した。原因となった水素白点による微少気泡の存在が両炉の安全性に許容しがたい影響を及ぼすことはないという点で、事業者のエレクトラベル社が納得のいく証明を行ったと明言。これにより、ドール3号機は2003年1月の法令に基づき2022年10月1日まで、チアンジュ2号機は2023年2月1日まで運転の継続が許された。FANCの決定を受けて、エレクトラベル社はすでに両炉の再起動準備を開始。これに要する4週間の間、複数の監督当局が作業を綿密に監視するほか、次の燃料サイクル終了後には適切な超音波探傷装置を使ってフォローアップ検査を行うことになると説明している。

 両炉では2012年夏の定検時に超音波探傷検査で鋼製RVに毛状ヒビの兆候が検出されたことから、FANCは徹底した調査を指示。その結果、RVの鋼製リング鍛造時に材料中の水素が偏って生じた「白点」が微少な気泡を生み、これらが長さ12~16ミリメートル、タバコ紙ほどの厚さの薄層状になったものと判明した。FANCは、微少気泡の存在が両炉の安全性を損なうことはないとエレクトラベル社が説得力のある証明を行うまでは再起動は許可しないと決定。両炉それぞれについて同社が2012年12月に提出した安全性保証文書(セーフティ・ケース)を内外の複数の専門家の助力を受けて分析し、2013年5月に両炉の一時的な再稼働を追加試験実施などの条件付きで許可した。

 これを受けて同社は同年6月に両炉の運転を再開したものの、水素白点のある試料で行った機械的耐性試験で理論モデルよりも放射線影響を強く受けるとの暫定結果が出たため、両炉の停止日程を前倒しして、2014年3月から第2シリーズの試験を開始した。FANCは同社が今年7月と10月に提出した新しいセーフティ・ケースを、米オークリッジ国立研究所を含む数多くの専門家に提示して意見を収集。自らも集中的に同文書を分析した上で下した結論として、「どちらのセーフティ・ケースも広範な科学調査の結果に基づいており、両炉で検出し、正確に計測したすべての微少気泡が原子炉の安全性に悪影響を及ぼすことはないと確信している」と断言した。

 エレクトラベル社も同日、FANCの最終判断を歓迎する声明文を発表した。何万時間もの調査作業と1,500回以上実施したという材料試験の結果、同社が下した結論は以下の通りとなっている。
 ・RVで検出されたヒビは鍛造時に生じた水素白点によるもので、最初から存在していたことになる。
 ・水素白点はRV内壁に沿って層のような平らな状態になっていた。そのため、わずかに機械的ストレスを受け易いものの、RVの構造上の健全性に悪影響を及ぼすことはない。
 ・超音波探傷検査ですべての水素白点を完璧に検出し、位置を特定し、計測することが可能になった。
 ・2014年の追加検査ですべての水素白点を特定しており、これらが安定していて成長しないことが判明。感度を上げて分析したことでいくつかの小さい白点を発見できたが、複数の小さなヒビを寄せ集めると1つの大きなヒビに見える。
 ・RVの照射化部分に水素白点が存在しても、周辺物質の破壊靱性に影響は及ばない。
 ・RVの構造上の健全性は、通常運転時および事故時など、いかなる状況下においても保証される。