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英国:今後5年間の意欲的な原子力研究開発に2億5,000万ポンド投資へ

2015年11月30日

 英国政府は11月25日、国民経済と安全保障を保証していく上での優先事項を記した「2015年歳出見直しと秋季声明」を公表した。公共財政を調整して国庫を黒字に戻し、健全な経済を動かすことを目的とした長期的な経済計画として、今後4年間で合計4兆ポンドの投入を設定。原子力関連では小型モジュール炉(SMR)開発などの意欲的な研究開発プログラムに5年計画で2億5,000万ポンド(約460億円)を投資する方針を明らかにしている。

 同文書の中で、意欲的な原子力研究開発は「英国の未来への投資」という項目に分類されており、革新的なエネルギー技術開発への投資を2倍にすることが明記された。エネルギー供給保証は国としての優先課題の1つであり、政府は低炭素化の経費を削減しつつこれを強化する方針。この一環として、原子力の専門的知見を英国内に蘇らせ、革新的技術における世界のリーダー的立場を復活させることを目指し、2015~16年と2016~17年の主要プロジェクトとして、少なくとも2億5,000万ポンドを研究開発プログラムに投資する。この中には最大の経済性を有するSMR設計を特定する開発競争も含まれており、2020年代に世界初のSMRを英国で建設するための道筋を付けるのが目的。この開発競争計画の詳細は来年初頭にも公表するとしている。

 政府はSMRのほかにも、原子力の幅広い研究開発を通じて、シェフィールド市やグレイターマンチェスター州、カンブリア州に原子力の中核的研究拠点を設置する機会や、英国全土に原子力研究基地を設置する機会を創出する計画。これには中国との共同研究・技術革新センター用に確保した資金2,500万ポンド(約46億円)を充てることになる。これ以外では政府は、古い原子力関連サイトの浄化作業を継続する経費として110億ポンド(約2兆300億円)を原子力デコミッショニング機構(NDA)に提供。これにはセラフィールドなど、英国で最も危険な施設における古い処分池やサイロでの作業が含まれるとしている。