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基本的考え方ヒア 秋山氏「日本が核不拡散分野でのリーダー担うべき」

2015年12月2日

 原子力委員会は11月24日、秋山信将一橋大学大学院教授から原子力利用の「基本的考え方」についてヒアリングを行った。
 秋山教授は、核問題には技術的な面と政治的な面があり、原子力技術の保有に関しても核兵器転用の意図がなければ問題ないという考え方と技術にも制約が必要とする考え方があることに触れ、核不拡散をはじめとする核リスクの縮小は国際社会の最重要課題であり、日本にはリーダーとしての役割が求められていると強調した。フルスケールの核燃料サイクルを保有する唯一の非核兵器国でありIAEAの保障措置の優等生であるという従来の「日本モデル」は終焉を迎えており、「一国主義」的な視点を脱却し国際協調主義をめざすべきだとした。そのため、福島第一原子力発電所事故の教訓、安全規制のバランス、核燃料サイクルなどについて、改めて普遍化が必要であると語った。
 また、米国の原子力利用における影響力が衰退する一方で中国をはじめとする新興国が台頭してきており、政治力学が変化する中でこれまでの体制と同じくらい核セキュリティレジームがあるのか注視する必要があると述べた。さらに、米印関係におけるダブルスタンダードなどの例を挙げ、米国の対応が各国によってばらつきがあることにも留意する必要があると述べた。2018年に迫る日米原子力協力協定の改定に関しては、現在のところ具体的なアジェンダとはなってはいないが、日本のプルトニウム不拡散上の懸念を解消し、エネルギー政策全般および原子力政策との整合性を担保しながら、米国との関係を維持していくことが大切だとした。
 阿部信泰委員からの日本がリーダーシップを握るための具体策についての質問には、東日本大震災でも破滅的な結末を防いだ福島第二原子力発電所や女川原子力発電所について、日本の知見を共有し信頼性を高めることを1つの方策として挙げた。