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米輸出入銀行の再承認法案にオバマ大統領が署名、5か月ぶりに業務再開

2015年12月7日

 米国企業の輸出事業促進のために低金利融資を提供してきた輸出入銀行(US EXIM)は12月4日、同行の再承認案件を盛り込んだ法案にB.オバマ大統領が署名したと発表した。これにより、US EXIMは6月末に認可が失効して以来、5か月ぶりに業務を再開し、2019年9月末まで継続することが可能になった。オン・ラインの申請受付システムも含め、12月8日までには全面的に業務を再開できるとの見通しを表明している。

 約80年前に創設されたUS EXIMについては、連邦議会が超党派で過去に16回、設置認可の再承認手続を取ってきた。しかし、下院の共和党議員を中心とする同行の存続反対派は、「US EXIMによる国庫からの持ち出し金が納税者に返還されない」、「外国の政府事業や企業支援に米国民の税金が使われている」--などとして、再承認手続を妨害。今年6月末に初めて認可が失効し、新たな取引案件への融資が一切不可能になっていた。このため、存続に賛成する超党派の下院議員は10月末、下院の議長と委員会の協力なしでも票決実施が可能になる特別措置を断行して再承認法案を可決。同案件を高速道路信託基金法案に含めることにより、上院審議においても可決させることに成功した。

 US EXIMのF.ホッチバーグ総裁は声明文の中で、「当行の使命は米国民の雇用を支えるとともに、米国企業が世界規模のビジネスで競合していくために必要なツールを授けることにあり、今日からそれを再開することが可能になった」と明言。輸出企業とそのサプライ・チェーンは米国の健全な経済にとって重要であるだけでなく、輸出事業が関係するコミュニティや地元経済にも数多くの恩恵をもたらすことになると強調した。また、業務の再開に関しては、予想される案件数を考えると、元の業務ペースを取り戻す努力が必要だと指摘。新たな取引案件の受け付けにおいては、包括的な適性評価を行うため顧客と関係者を待たせる可能性があること、1,000万ドルを超える申請には同行理事会の承認と上院の確認が必要になることなどを説明している。

 US EXIMの再承認を受けて米原子力エネルギー協会(NEI)は、再承認法案の票決を可能にした議員らの超党派の努力に対し、原子力産業界のメーカーやサプライヤーを代表して謝意を表明。海外の原子力契約案件を米国企業が獲得することにより、世界の原子力部門で米国の専門的知見と影響力が大幅に増大し、環境へのCO2排出を抑えつつ人々の生活水準向上に貢献することができるとの認識を強調した。