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日印首脳会談で原子力協力協定の締結が合意

2015年12月14日

 12月11~13日にインドを訪問した安倍晋三首相は12日、モディ首相と首脳会談を行い、日印民生用原子力協力協定の締結合意、日本の新幹線技術や高効率な石炭火力発電技術に関する協力を始めとする電力エネルギー・インフラ投資支援、政治・安全保障、人的交流などの分野で、両国間の戦略的グローバル・パートナーシップの拡充・深化を図っていくとする共同声明「日印ビジョン2025」が両首脳により署名された。また、両首脳は、広島・長崎への原爆投下70周年に際し、核廃絶に向けたコミットメントを再確認し、核拡散・核テロの課題に対処するための国際協力を強化していくことで一致しており、会談の中で、安倍首相は、「『核兵器のない世界』の実現という目標は既にインドと共有している」と述べ、今後もNPT普遍化やCTBTの早期発効についても、インドとの対話を続けていきたいとしている。
 インドでは、今後の経済成長に伴い、エネルギー需要が大幅に増大することが見込まれ、原子力発電を現在の21基・578万kWから2032年には総発電設備容量の9%に相当する6,300万kWにまで拡大する計画があり、大型軽水炉の導入に向け日本の技術力への期待が高まっている。さらに、インドは、世界第3位のCO2排出国でもあり、原子力発電の拡大計画に協力することは、世界的規模の資源問題や地球温暖化問題の緩和につながるほか、日本にとっては、長年培ってきたプラントの建設・運転・保守に係る技術やサプライチェーン、福島第一原子力発電所事故の教訓などを活かし、インドの原子力発電における安全性向上に貢献するとともに、日本の産業活性化や原子力技術の維持・向上や人材育成・確保への寄与も期待されている。
 一方、インドはNPTに加盟しておらず、1974年に核実験を実施したことから、国際的な原子力協力を得られなくなり、独自に原子力開発を進めてきた経緯があるが、2005年に米国がインドとの原子力協力を進める方向に動き出し、2008年に原子力供給国グループ(NSG)がインドとの原子力協力を容認(例外規定扱い)してからは、米国、フランス、ロシア、カナダ、韓国、豪州、カザフスタンなどの国々がインドとの原子力協力協定を結んでいる。日本は、2008年のNSG容認後の2010年より、インドとの原子力協力協定締結に向け、外交レベルでの交渉を進めてきた。