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中国国務院:パリ協定の目標達成で低炭素電源開発を加速、原子炉4基の建設を承認

2015年12月18日

 中国の李克強首相を議長とする国務院・常務会議は12月16日、低炭素エネルギー開発への移行を促進するため、新たな原子炉4基の建設を含め、水力とその他の低炭素電源について複数の大型開発プロジェクトの実施を承認した。温室効果ガスを削減する2020年以降の新たな取組枠組として、パリCOP21で今世紀後半にも世界全体の温室効果ガスを実質的にゼロにすることを目指した「パリ協定」が採択されたのを受けたもの。中国では、廉価な水力発電と比べて原子力は長期の建設期間と巨額の投資が必要だと認識する一方、最も効率的かつクリーンな電源の1つとも評価。安定した経済成長やエネルギー供給構造の合理化、国民生活の改善に加えて、省エネと大気汚染制御のための効果的な公共投資といった目標達成を念頭に、これらの低炭素電源の開発を加速していくと明言している。

 建設が承認された原子炉プロジェクトは、中国広核集団有限公司(CGN)が広西省で開発している防城港原子力発電所のⅡ期工事(3、4号機)と、江蘇省にある中国核工業集団公司(CNNC)の田湾原子力発電所5、6号機。防城港3、4号機では第3世代の安全技術特性を有すると言われる中国の輸出用設計「華龍一号」(100万kW級PWR)の採用が決定しており、これらはCGNが将来的に英国ブラッドウェルで建設する原子力発電所の参照プラントになる。田湾5、6号機の建設は、第12次5か年計画の重要プロジェクトとして2011年初頭に準備作業の実施が承認されていたが、福島第一原子力発電所事故の影響を受けて開発は4年以上遅延。採用設計は100万kW級PWRの「ACP1000」になるとした。これらを正式着工するには、環境保護部・国家核安全局(NNSA)の建設許可が必要で、国務院は十分な安全性を確保するために厳しい基準と要件を満たすよう改めて指示している。

 常務会議後、国家能源局の原子力発電担当幹部はメディアに対し、中国における近年の国家エネルギー政策の重点はエネルギー供給構造とクリーン・エネルギー開発の改善だと説明。こうした政策により、高濃度のスモッグに覆われる日数を減らすだけでなく、化石燃料への依存を軽減し、国のエネルギー・セキュリティを担保していくとの方針を強調した。